10位 サウロン -ロードオブザリング強さランキング-

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ロードオブザリング

アルダの黎明より大敵モルゴスに仕え、その最も枢要な召使となったマイアの悪霊であり、モルゴスの没落後はその後を継ぎ冥王となった。

 

元来は自在に姿を変える能力を持ち、美しく立派な外見を装うこともできる危険な存在だったが、この能力は後に失われ、見るもおそろしい姿しかとれなくなっていった。

 

指輪物語における邪悪の根源であり、全てを統べる一つの指輪の作り主。元はアウレに仕えるマイアであり、アウレの民の中でも力ある者とされていた。

 

だがアルダの黎明期にメルコールに誘惑されて堕落し、彼に仕えるようになった。やがてメルコールの召使の中で最強の者となり、主人の為したありとあらゆる悪行に関与したという。

 

第一紀になると、サウロンはモルゴスの大いなる副官としてベレリアンドのエルダールに恐れられ、残酷なるゴルサウアとも呼ばれた。

 

ダゴール・ブラゴルラハに続く戦いでは、オロドレスの防衛していたトル・シリオンを陥落させて占領し、巨狼や吸血蝙蝠といった配下を集めてエルダール諸侯の大きな脅威となった。

 

ドルソニオンで抵抗を続けるバラヒアとその一党を殲滅するようモルゴスに命じられたサウロンは、その一人ゴルリムを罠にかけて彼らの隠れ家を突き止め、皆殺しにする。

 

ただ一人生き残ったベレンがフィンロド・フェラグンドとともにシルマリル奪回のため付近を通過しようとした際には、彼らを察知して捕らえた。ここでサウロンはフィンロドと魔力のこもった歌で互いに戦い、ついにはフィンロドを打ち倒して彼らを地下牢へ幽閉した。

 

やがてルーシエンが猟犬フアンと共にベレンを救出しにやってくると、フアンが“天が下にかつて存在したこともない強大な狼と戦うまでは死なない”と予言されていることを知っていたサウロンは、その予言を自分で成就させることを思いつく。

 

そこで自ら史上最大の狼に姿を変じて挑んだが、ルーシエンの眠りの魔法とフアンの予言のために返り討ちに遭う。サウロンは蛇や怪物に次々と姿を変えたが、フアンの牙を逃れることはできず、とうとうルーシエンに降伏してトル=イン=ガウアホスを明け渡した。

 

サウロンは巨大な吸血蝙蝠の姿に変じて飛び去り、タウア=ヌ=フインに逃れてそこを恐怖で満たしたという。

 

怒りの戦いでモルゴスが滅ぼされると、ヴァリノールの軍勢に降伏したサウロンは、アマンのヴァラールのもとに出頭して裁きを受けるようエオンウェに命じられる。

 

この時サウロンはモルゴスの凋落とヴァリノールの軍勢の威光に動顚するあまり、一度は本当に悔悛したのだと言われている。だがエオンウェが去ると彼は逃亡し、中つ国に隠れた。

 

第二紀500年頃より活動を再開したサウロンは、最も容易に堕落させやすい存在が人間であることに目をつけ、恐怖を用いて再び多くの人間を暗闇に転向させていく。

 

さらに、アマンへ立ち去ることを拒んだノルドールが自分と同じように中つ国の荒廃と衰退を憂いていることに目をつけると、かれらの願望と力を利用することを考える。

 

1200年頃より美しく立派な外見を装い、アンナタールといった偽名を用いてエルフに接近したサウロンは、エレギオンのケレブリンボールを筆頭とする金銀細工師達に取り入ることに成功し、彼らに様々な技術を教え、彼らが力の指輪を鍛えるのに手を貸した。

 

そして第二紀1600年頃、サウロンは火の山のサンマス・ナウアで「全てを統べる一つの指輪」を完成させる。この指輪によって元々のマイアの力をさらに増幅させることに成功した。

 

さらに彼は手中に収めた七つと九つの指輪に手を加えて邪悪に歪め、ドワーフと人間の王侯に分け与える。頑強なドワーフはサウロンの思い通りにはならなかったが、九人の人間は全員が影に入り、サウロンの最も恐るべき下僕であるナズグールと化した。

 

このため、サウロンの力は中つ国ではほとんど並ぶものがないほど強大となる。

 

だがその勢力が中つ国の沿岸部にまで達したことで、当時そこに植民地を築いていたヌーメノールとの衝突が起こる。

 

サウロンが「人間の王」を自称し、ヌーメノールを滅ぼすと公言すると、それを知ったヌーメノールの王アル=ファラゾーンは第二紀3261年に大艦隊を率いてウンバールに上陸した。

 

その軍勢のあまりの強大さにサウロンの召使達は逃げ出し、軍事力では抗することができないと悟ったサウロンは自らアル=ファラゾーンの陣営に投降、捕虜としてヌーメノールに連行される。しかしその真意は、ヌーメノールを内側から破滅させることだった。

 

そしてサウロンは、至福の国(アマン)に攻め入れば、神々やエルフにはあって人間にはない不死を奪い取ることが可能だと王に信じ込ませるにいたる。

 

第二紀3319年、アル=ファラゾーンは神をも恐れぬ無敵艦隊を率いてアマンへ進軍した。サウロンの目論見はヌーメノールをヴァラールの怒りに触れさせて破滅させることであったが、この時引き起こされた事態はサウロンの予想を越えるものであり、ヴァラールの呼びかけを受けたエル・イルーヴァタールは世界を球形に作り変えてしまった。

 

これによってアル=ファラゾーンとその艦隊は滅びたが、ヌーメノールの島も覆されて海中に沈められ、寺院に留まっていたサウロンもそれに巻き込まれた。

 

だがサウロンは死すべき魂の持ち主ではなく、第二紀3320年に中つ国へと帰還する。

 

もはや美しい姿を取ることはできなくなったサウロンの力は、以後恐怖を通じてのみ発揮されるようになり、サウロンの目の悪意に耐え得る者は、エルフや人間の偉大なる者たちの中にすらほとんどいなかった。

 

3429年、戦力を再建したサウロンはゴンドールに攻撃を加えるが、しかしこの時、サウロンの力はまだ完全には回復していなかった。エレンディルとギル=ガラドは最後の同盟を結んでサウロンに抵抗し、ダゴルラドにおいて行われた一大会戦でサウロンの軍勢は打ち破られる。

 

同盟軍によってバラド=ドゥーアは7年の間包囲され、第三紀3441年、たまりかねたサウロンはとうとう自ら姿を現し、滅びの山の裾野においてエレンディルとギル=ガラドと相討ちとなって倒れた。

 

イシルドゥアはナルシルの柄本でサウロンの指を切り取って一つの指輪を奪い、このためサウロンの霊魂は力を失って東方の荒野に逃げ去った。




こうしてサウロンは再び中つ国から姿を消したが、イシルドゥアが一つの指輪に魅了されて、これを無に帰することを拒否したため、指輪に込められたサウロンの力は生き続けた。

 

そして一つの指輪が破壊されなかったため、サウロンは蘇り、第三紀1100年頃にドル・グルドゥアの死人占い師として再び形をとった。その存在によって影の落ちた緑森大森林は闇の森へと変貌した。

 

そこからサウロンはナズグールを使って、復活のための準備を開始する。1300年には魔王を北方エリアドールに派遣してアングマールを建国させ、1975年にアルノールを滅ぼした。

 

さらに魔王とナズグールは2002年にミナス・イシルを陥落させてミナス・モルグルに作り変え、その地にあったパランティーアの一つを奪取。

 

そして2050年には魔王に挑発されたエアルヌアが帰らぬ人となりゴンドールの王統が途絶えた。こうしてサウロンおよびその配下の力によってドゥーネダインは弱体化した。

 

2063年にガンダルフがドル・グルドゥアに潜入すると、サウロンは東方へ逃れてしばらく警戒的平和が訪れたが、2460年には力を増してドル・グルドゥアへ帰還し、以降西方諸国への攻勢を強めた。

 

2850年にふたたびドル・グルドゥアに潜入したガンダルフによって、死人占い師の正体がサウロンであることが白の会議に確認された。

 

この頃よりサウロンは力の指輪の収集と、一つの指輪の捜索を開始しており、イシルドゥアが一つの指輪を失ったあやめ野付近の捜索も行っていることが2939年に明らかとなる。

 

2941年にドル・グルドゥアは白の会議によって攻撃され、サウロンは逃走した。だがそれは見せかけで、既に彼はナズグールを使ってモルドール帰還の準備を果たしていた。

 

2942年に密かにモルドールに帰還したサウロンは、2951年に公然と名乗りを上げるとバラド=ドゥーアの再建を開始した。

 

サウロンの二度目の勃興によって、オークは山中で数を増やし、トロルは武装して悪賢くなった。東方では東夷の諸族が、南方ではハラドリムの諸侯が再びサウロンに臣従を誓った。

 

こうして昔日彼に仕えていた邪悪なものたちが再びモルドールの名の下に集結するようになり、中つ国には再び影が広がっていった。

 

3000年には、オルサンクのパランティーアを使用したサルマンを、手中におさめていたイシルのパランティーアによって捕捉、配下に加える。サルマンは内心ではサウロンをも出し抜くつもりであったが、サウロンは次第にサルマンを精神的に圧倒し、その真意にも薄々感づいていた。

 

大いなる年、サウロンはオスギリアスと森の王国を同時攻撃し、その混乱に紛れてナズグールを一つの指輪追跡のため送り出した。これが指輪戦争の始まりと見なされている。

 

サウロンは直ちにナズグールを復活させると彼らに翼を与え、アンドゥインの監視に差し向ける。同時にアイゼンガルドと協働して一帯にオークを派遣し、裂け谷を出ていずれアンドゥインに差し掛かるはずの指輪の仲間を待ち伏せた。

 

だがナズグールはレゴラスに射落とされてしまい、配下のオークはアイゼンガルドの裏切りとローハンの乗手の襲撃によって報せを届けることなく全滅してしまった。

 

サルマンが何事かを知っているに違いないと睨んでいたサウロンは、別のナズグールをアイゼンガルドに差し向けていたが、パランティーアを通じて姿を見せたのは「ホビット」のペレグリン・トゥックであった。

 

そこでサウロンは裏切り者のサルマンがホビットを横取りしたものと一度は考える。ところが次にオルサンクのパランティーアに姿を見せたのは、武装したイシルドゥアの世継であり、彼は鍛え直された折れたる剣を示してサウロンに公然と挑戦する。

 

そしてアイゼンガルドに到着したナズグールが見たものは、敗北したサルマンの姿であった。

 

最大の敵の一人が指輪を手に入れたかもしれないこの事態に、サウロンは大いに怒りかつ恐れた。そのため、予定より早くに西方諸国との全面戦争を開始してしまう。

 

滅びの山の噴煙を送り出して暗闇を生じさせたサウロンは、黒門、ミナス・モルグル、ドル・グルドゥア、リューンからそれぞれ大軍勢を出撃させ、ゴンドール、ロスロリアン、森の王国、谷間の国と山の下の王国を攻撃する。

 

特にゴンドールに対しては、魔王を総大将に立てて、どこよりも熾烈な一撃を見舞うつもりであった。

 

ところが、暗闇はサウロンが予定したよりも早くに西風によって吹き払われてしまい、ロヴァニオンへの第一撃はいずれも目的を達しなかった。さらにペレンノール野の合戦において魔王は滅ぼされ、モルドールとその同盟軍は敗北してしまった。

 

事態がことごとく自らの不利に働き出したことから、サウロンはイシルドゥアの世継あるいは彼に近しい者が一つの指輪を手にしたのではないかとの疑念を強くする。

 

同じ頃、モルドールの国境にホビットの間者が侵入したとの報告が上がり、その者の装身具(ミスリルの胴着など)が押収された。だがイシルドゥアの世継が黒門に向かって公然と進軍してくるに及んだため、サウロンは熟考の末にこれを撃滅するのに全力を挙げることを決意する。

 

サウロンの望みは、他者が一つの指輪に込められた力を完全に使いこなせるようになるには時間を要するということであり、そのためイシルドゥアの世継が傲慢にもわずかな手勢で拙速な攻撃を仕掛けてきた機会を見逃すわけにはいかなかった。

 

サウロンは彼らを黒門までおびき寄せて大兵力によって一網打尽にし、指輪を奪い返す心づもりであった。

 

黒門の戦いはサウロンの目論見通りに進展するかに見えた。だがその最中に指輪所持者フロド・バギンズの任務は達成され、一つの指輪は滅びの罅裂に投げ込まれた。

 

最後の瞬間にサウロンはようやく指輪の本当の所在と、敵達の計画の全貌を悟ったものの時すでに遅く、指輪は無に帰して暗黒の塔は土台から覆って崩壊し、モルドールの軍勢は総崩れとなり、サウロンの霊魂は持てる力の全てを失って吹き払われた。

 

 

以上がサウロンの歴史である。サウロンの歴史は中つ国の歴史と言っていい。当ランキングでも最も長い字数をかけて紹介したが、それだけ語るべきことの多い悪役と言えよう。

 

この記事のメインテーマである強さという点では全盛期の強さで比較するというルールなので、第三紀の実態のないサウロンは論外。

 

第一紀の時代もトップクラスのマイアであったが、設定上エオンウェに劣後する。

 

しかし第二紀に一つの指輪を完成させて力を増幅した指輪王サウロン時代は自身のマイアとしての力に指輪の力も加わることで、エオンウェ以上の強さを得ただろうと思われる。

 

よってランキングとしては指輪王時代サウロンの強さを基準とし、エオンウェより上の順位に置いた。




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