宇宙全史1 ビッグバンから宇宙誕生1秒後まで

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宇宙の全史を辿っていくこの企画。初回は宇宙誕生から1秒後までに起こった出来事を追っていく。

 

現代の宇宙論では宇宙はビッグバンという大爆発によって無から誕生したと言われている。これは137憶年前に起こった。

 

ビッグバンによって誕生した宇宙は、誕生した直後から膨張が始まる。

 

宇宙の歴史の最初の0秒から約10^-43秒の間の時間をプランク時代と呼ぶ。プランク時間はおそらく時間の最小単位であり、プランク時代はこの長さであるため、時間の最初の瞬間であるとも言える。

 

この瞬間が訪れた約137億年前には、重力は他の基本相互作用と同じくらい強く、全ての力は統一されていたと考えられている。

 

極めて高温高圧で、プランク時代の宇宙の状態は不安定で一時的であり、対称性の破れの進展により基本相互作用が生じた。

 

近代の宇宙論では、プランク時代は大統一理論の時代で、対称性の破れによって宇宙のインフレーションの時代が始まり、極めて短時間に宇宙が爆発的に拡大したと考えられている。

 

 

プランク時代を過ぎ、宇宙誕生から10^-43から10^-36秒後。宇宙の膨張、冷却が始まる。全ての力が統一されている大統一時代である。

 

この時、宇宙の温度は、大統一理論の特性温度に匹敵するほど高かった。

 

この期間、4つの基本相互作用のうちの3つ(電磁力、強い相互作用、弱い相互作用)が電核力に統一されていた。重力は、プランク時代の終わりに電核力から分離した。

 

大統一時代は、ビッグバンの約10-36秒後に終わった。この時点で、いくつかの重要な出来事が起こった。

 

強い相互作用はその他の基本相互作用から分離し、宇宙の温度はXボソンとYボソンが形成されうる閾値以下に低下し、残ったXボソンとYボソンは崩壊した。

 

この崩壊過程の一部がバリオン数の保存を破り、物質と反物質の割合にわずかな差を生じさせた可能性がある。

 

この相転移は、次のインフレーション時代における宇宙のインフレーションの引き金になったとも考えられている。

 

 

大統一時代が終わり、宇宙誕生から10^-36から10^-32秒後。ダークエネルギーによりインフレーションが生じる。この時代はインフレーション時代と呼ばれている。

 

この急激な拡大は、初期宇宙の直径を少なくとも10^26倍も増加させ、体積は少なくとも10^78にもなった。

 

膨張規模を例えるとこのほんのわずかな時間で水素原子が今の宇宙の大きさを遥かに超えるくらいのすさまじい膨張速度であった。

 

この拡大は、ビッグバンから約10-36秒後、前の大統一時代の終わりに起こった相転移が引き金になったと考えられている。

 

この相転移の理論的な帰結の1つは、インフレーション場と呼ばれるスカラー場である。この場が宇宙全体で最低のエネルギー状態にあったことで、時空の構造の急激な拡大を引き起こす反発力が生まれた。

 

宇宙の急速な拡大は、大統一時代から残る素粒子が非常にまばらに分散したことを意味する。今の宇宙がどこも均質であるのはこの急激なインフレーションが起きたからである。

 

 

宇宙誕生から10^-36から10^-12秒後。インフレーション時代の終わりにインフレーション場の巨大な位置エネルギーが解放され、再び宇宙は濃く熱いクォークグルーオンプラズマに満たされ、電弱時代が始まった。

 

この時代の粒子間相互作用は、ウィークボソンやヒッグス粒子を含む大量のエキゾチック粒子を形成しうるほどエネルギーが高かった。

 

宇宙が拡大して冷えるにつれ、相互作用のエネルギーは低下し、ビッグバンの約10-12秒後にはウィークボソンの形成は止まった。残ったウィークボソンはすぐに崩壊し、弱い相互作用は、続くクォーク時代には、短い範囲の力となった。

 

この時代に強い相互作用と電弱相互作用が分離し、インフレーションの間に生じていた指数関数的な膨張が止まる。またバリオン(3つのクォークから構成される亜原子粒子)が形成された。

 

 

電弱時代の後の宇宙誕生から10^-12から10^-6秒後はクォーク時代と呼ばれる。ヒッグス粒子は真空期待値を獲得し、あらゆる粒子はヒッグス機構により質量を獲得した。

 

また、重力相互作用、電磁相互作用、弱い相互作用、強い相互作用からなる基本相互作用は、現在のように分離する。

 

クォーク時代の間、宇宙は濃く熱いクォークグルーオンプラズマに満たされていた。粒子間の衝突は非常にエネルギーが高いため、クォークが結合してメソンやバリオンになることはできなかった。

 

 

クオーク時代が終わると、ハドロン時代と呼ばれる時代が始まる。これは宇宙誕生から10^-6から1秒後である。

 

宇宙を構成するクォークグルーオンプラズマが冷えることにより、陽子、中性子といったバリオンからなるハドロン(強い相互作用で結びついた複合粒子のグループ)が形成される。

 

当初、温度は十分高く、ハドロン/反ハドロン対を形成することができ、物質と反物質の熱平衡の状態が保たれた。

 

しかし、宇宙の温度が下がり続けると、ハドロン/反ハドロン対は形成されなくなった。ハドロンと反ハドロンの大部分は、少量のハドロンを残して対消滅した。

 

反ハドロンの消滅は、ビッグバンの1秒後までには完了した。また、ニュートリノが分離して時空を自由に移動するようになった。

 

 

ここまでの年表

 

137億年前。ビッグバンにより宇宙誕生。

宇宙誕生から10^-43秒。プランク時代。

宇宙誕生から10^-43から10^-36秒後。大統一時代。

宇宙誕生から10^-36から10^-32秒後。インフレーション時代。

宇宙誕生から10^-36から10^-12秒後。電弱時代。

宇宙誕生から10^-12から10^-6秒後。クォーク時代。

宇宙誕生から10^-6から1秒後。ハドロン時代。

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