第二紀 黄金王アルファラゾーンと無敵艦隊 -ロードオブザリング全史-

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ロードオブザリング
Ar-Pharazôn | The One Wiki to Rule Them All | Fandomより引用

3209年 イシルドゥアが生まれる。エレンディルの長子でアナーリオンの兄。

後にヌーメノールの没落を逃れた忠実なる者の指導者となり、弟アナーリオンと共にゴンドールを創建した事実上の初代の王になる。

後に父のナルシル(折れたる剣)を使ってサウロンの指を切断し、一つの指輪を奪い取った人物。

 

3219年 アナーリオンが生まれる。エレンディルの息子でイシルドゥアの弟。

 

3255年 アル=ファラゾーンがヌーメノール25代目の王になる。彼の治世にヌーメノールの国威と堕落は絶頂に達し、黄金王の名で知られる。

ファラゾーンは父のギミルハードに似て傲慢で、王党派の筆頭格としてヴァラールやエルダールを敵視していた。

ギミルハードは、タル=パランティアの改悛(反ヴァラール、反エルダールを改めようとする行為)に抵抗し続けたが、ファラゾーンもそれにならい、ギミルハードの死後もそれを続けた。

しかもファラゾーンは若い頃は中つ国に遠征して略奪を行い、その富をヌーメノールに持ち帰って人々に与えたので、ヌーメノール人の人望を集めていた。

タル=パランティアが死ぬとファラゾーンは、パランティアの娘でファラゾーンの従姉妹にあたるミーリエルに、自分と結婚するよう強要(又従兄弟以上に近い血縁の者の結婚を禁じる、ヌーメノールの法を無視するものでもあった)

こうしてファラゾーンはヌーメノールの王位を簒奪する。

 

3261年 サウロンは中つ国の沿岸都市からヌーメノール人を追い落として支配下に置こうとし、自ら「人間の王」を称した。

この話を聞くとアル=ファラゾーンは激怒。彼はサウロンを撃破し自分こそが人間の王であることを証明するため、大軍を指揮してウンバールに上陸した。

このときウンバールの港を埋め尽くしたアル=ファラゾーンの大艦隊は、忠実なる者達ですら思い返すたびに誇らしさを覚えるのを禁じ得ないほど壮大なものであり、後々まで記憶された。

アル=ファラゾーンの軍勢のあまりの強大さに、サウロンは武力で抗う望みがないことを悟り、降伏してヌーメノールの陣営に投降することを選ぶ。

アル=ファラゾーンは、サウロンの臣従の監視と彼の王国に対する人質として、また、自らの権勢を示す証として、サウロンを捕虜としてヌーメノールに連れ帰った。

 

3262年 ヌーメノールに連行されたサウロンは、その巧みな話術と美しい外見により王の寵を得ることに成功し、ヌーメノール人を堕落させ始めた。

 

3265年 アル=ファラゾーンはサウロンの甘言に耳を傾け、彼を自らの相談役に引き立てると、その助言のもとでますます中つ国から富の収奪を繰り返し、いよいよ国力を増大させていった。

 

3280年 サウロンはアル=ファラゾーンに白の木ニムロスを伐り倒すよう執拗に促し、最初は躊躇したアル=ファラゾーンも結局は要求に屈した。

伐られたニムロスはサウロンの大寺院の祭壇に最初に火を点じる薪にされ、燃えるニムロスから立ち昇る煙は雲となってヌーメノールの空に七日間留まった後、ゆっくりと西へ去った。

この凶事が起こる前にイシルドゥアは危険を冒してニムロスの実を救い出しており、この実から芽吹いた実生はヌーメノールの没落を逃れて中つ国に運ばれ、ゴンドールの白の木となった。

 

3300年 サウロンはメルコールの上級僧侶、「黒の王」の地位を確立した。

サウロンは王にメルコールへの崇拝を求め、イルーヴァタールはヴァラールが考え出した嘘に過ぎないと吹き込む。

メルコールとその暗黒を崇拝するようになったアル=ファラゾーンと王党派は、神官たるサウロンの指導の下、自分たちが不死になることを願って、人身御供をはじめとした数々の忌まわしい儀式を執り行い、忠実なる者をますます迫害した。

 

3310年 堕落と荒廃の一方で、ヌーメノールは中つ国から富の収奪を繰り返し、サウロンの指導の下で史上類を見ないほどの強大な国力を誇るようになっていった。

この頃サウロンは王の背後からヌーメノールを完全に掌握しており、彼がその気になりさえすれば、ヌーメノールの王笏を手にすることも可能になっていた。

しかしサウロンの望みはあくまでヌーメノールの破滅であった。彼は年老いて迫り来る死に怯えるファラゾーン王に、ヴァラールに戦を仕掛け力づくで不死の命を手に入れるようけしかける。

やがて忍び寄る老いと死への恐怖を感じ始めたアル=ファラゾーンは、いよいよ判断力を失い、ヴァラールから不死を奪い取ることが可能だというサウロンの甘言を信じ込む。

アル=ファラゾーンはさらなる大軍事力を蓄えはじめた。

 

3318年 メネンディルが生まれる。アナーリオンの4番目の息子で、ヌーメノールで生まれた最後の人間となった。

 

3319年 アル=ファラゾーンは神をも恐れぬ無敵艦隊を率いてアマンへ進軍した。

西方からは、数々の不吉な警告の印がもたらされたが、アル=ファラゾーンはあくまで心を変えようとはせず、武装して王冠を戴くと、旗艦アルカロンダスに乗り込み、落日とともに挑戦のトランペットを吹き鳴らして西方へ出撃した。

ヴァラールの禁を破って禁じられた海域を越えたアル=ファラゾーンの大艦隊はアマンに到達し、トル・エレッセアを包囲してその海上をびっしりと埋め尽くす。

さしものアル=ファラゾーンもこの世ならぬタニクウェティルの山と不死の国の岸辺を目にした時はふと恐怖を覚えたものの、結局は禁じられた地に足を印し、この地は自分のものだと宣言する。

上陸したアル=ファラゾーンとヌーメノールの軍勢は、エルフ達が逃げ去ったあとのトゥーナの周囲で野営した。

 

ヴァラールは、この時世界の統治権を一時的に放棄しエルに采配を委ねた。

そしてヴァラールの呼びかけを受けたエル・イルーヴァタールは世界を球形に作り変えてしまった。

その結果ヌーメノールの島は覆って海中に沈み、大艦隊もその淵に引き寄せられて飲み込まれた。

アル=ファラゾーンと彼の軍勢は崩れる山々の下敷きとなり、忘却の洞窟で世界が終わる日まで閉じ込められていると言われている。

こうしてアル=ファラゾーンは滅びたが、神をも恐れぬ彼の無敵艦隊の伝説は後の世まで記憶された。

 

サウロンの目論見はヌーメノールをヴァラールの怒りに触れさせて破滅させることであったが、この時引き起こされた事態はサウロンの予想を越えるものであり、王都の神殿で高笑いをしていたサウロンもその余波に巻き込まれ、肉体を失うこととなる。

忠実なる者の指導者であったアマンディルはヴァラールに慈悲を懇願するため単身西方に航海したが戻らなかった。

そしてエレンディルは父の遺言に従って、息子達とともに忠実なる者を取りまとめると、9隻の船で大海に遁れる。

こうしてかれらはヌーメノールの没落を生き延び、中つ国の岸に到着した。

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