天地創造
時が始まる前、エル・イルヴァタールがアイヌアを生み出します。
エル・イルヴァタールはロードオブザリング世界の神のような存在で、アイヌアとは神に仕える精霊のような存在です。
イルーヴァタールはアイヌアに「主題」を示して創世の音楽(アイヌリンダレ)を奏でさせ、エア(世界)とアルダ(地球)を創造します。
この創世の音楽の中で自らの考えを織り込み、不協和音を発したのがアイヌアの内で最大の力を持っていたメルコールでした。
エアに下向したヴァラール達は、やがて生まれ来るイルーヴァタールの子ら(エルフと人間)のために世界を築くという大事業に取り掛かります。
しかしメルコールは世界は自分のものだと宣言して思いのままにそれを形作ろうとし、兄弟のマンウェを筆頭とした他のヴァラールと争いました。
世界の形成で主に活躍したのは風の王マンウェ、水の王ウルモ、工人アウレの三人。
マンウェは大気、ウルモは海や川、アウレは陸地を形成しますが、絶えずメルコールから妨害を受け、メルコールと他ヴァラールの果てしない戦いが繰り広げられました。
そんな中最後にアルダにやってきたヴァラールが強者トゥルカス。
ヴァラールの中で最も力と武勇に優れるトゥルカスの参戦によりメルコールは退散し、ヴァラールはアルダの建造を成し遂げることができました。
しかしメルコールの絶えざる妨害のためにヴァラールの当初の構想が完全に実現されることはありませんでした。
灯火の時代
メルコールが去った後、ヴァラールは、外なる海に取り巻かれた中つ国を照らすために、中つ国の南北にイルルインとオルマルという二つの巨大な灯火を作りました。
二つの灯火の光によって地上はまるで不変の昼間のように照らされており、地上には大地の女王ヤヴァンナの考案した植物と動物が生まれ始めていました。
そのためこの時代はアルダの春とも呼ばれました。
しかしメルコールは密かに夜の壁を越えてアルダに戻り、北方に鉄山脈の防壁とウトゥムノの地下城砦を築き上げます。
そしてアルダの春を汚染し、中つ国に獰猛な生き物や、闇、腐敗などを発生させていきます。
ヴァラールはアルダにメルコールが戻ったことを知りますが、メルコールは先手を打って二つの灯火を強襲してこれを打ち壊します。
灯火が倒壊した衝撃のために陸は砕け海は荒れ狂い、アルダは大損害を被ります。
その混乱にまぎれてメルコールはマンウェの怒りとトゥルカスの追跡を免れてウトゥムノへ逃走。
災害の鎮圧で手一杯のヴァラールにも追撃する余裕はなく、ヴァラールはアルダがこれ以上破壊されることを恐れ、大海を隔てた西方のアマンへ撤退。
かくして、ヴァラールの当初の構想は打ち砕かれて二度と生かされることはなくアルダの春は終わり、中つ国は非常に長い期間、ウトゥムノに君臨するメルコールの支配下に置かれることになりました。
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