フェアノールの息子たちの話

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ロードオブザリング
Fëanor | The One Wiki to Rule Them All | Fandomより引用

フェアノールの息子は7人いますが、人数が多いこともありシルマリルの物語を初読した時は誰が誰だかわからなくなることもあるかと思います。

そこでフェアノールの息子たちがそれぞれどのような人でどのようなことをしたのかというのをまとめてみます。

 

・丈高きマイズロス

長兄であり、七人の息子たちの中では最も賢明な人物でした。

元々マイズロスはフィンゴンの友人だったため、中つ国に帰還する際のアラマンでの裏切り行為には消極的であり傍観を保ちました。

ダゴール=ヌイン=ギリアスでフェアノールが死ぬと、マイズロスはモルゴスとの休戦交渉に応じます。

彼は十分に警戒していたものの、罠にかけられて人質となり、手枷を付けられてサンゴロドリムの絶壁に吊り下げられました。

 

その後フィンゴンが救出にやってきますが、フィンゴンは彼のいる場所までは達することができず、苦痛に苛まれたマイズロスは自分を射殺してくれるよう頼みます。

この光景を発見したソロンドールがフィンゴンをマイズロスの元まで運び、フィンゴンはマイズロスの右手を切り落として手枷から救い出しました。

ミスリムに生還したマイズロスは、アラマンでの裏切り行為を謝罪してノルドールの王権を放棄します。このため上級王位はフィンウェの次男であるフィンゴルフィンに渡ることになります。

しかし兄弟の全員がこれに納得したわけではなく、マイズロスは争いを回避するために弟たちを連れてミスリムを去ります。

 

彼らはアングバンドからの襲撃に対して無防備なヒムリング山の周辺の土地に移って警戒を続け、以後その地はマイズロスの辺境国と呼ばれるようになります。

ダゴール・アグラレブではモルゴスの奇襲を見事に撃退し、ベレリアンドに人間(エダイン)がやってくると、マラハの族のアムラハがマイズロスに仕えました。

しかしダゴール・ブラゴルラハでアングバンドの包囲は破られ、辺境国は蹂躙されて弟たちは全員がその領土を追われました。

そんな中、マイズロスだけはヒムリング山の砦を死守し、残党を糾合してモルゴスの伸長を辛うじて阻みました。

 

やがてベレンとルーシエンのシルマリル探求の功業が彼らの許に伝わると、マイズロスはモルゴスが必ずしも難攻不落ではないことを知って希望を取り直します。

そこでマイズロスの連合と呼ばれる提唱を行い、モルゴスに敵対するすべての勢力を糾合してアングバンド攻略の連合軍を形成しようとしました。

しかしフェアノールの誓言が引き起こした禍のため、ドリアスとナルゴスロンドからはほとんど援助を得ることができませんでした。

さらにマイズロスに臣従する東夷のウルファングの一族は、既にモルゴスに誘惑されてその間者となっていました。

とはいえひとまず全ベレリアンドの賛同を得たマイズロスは力試しを急ぎ、各地で一斉に蜂起してモルゴスの軍勢を北方から一掃し、全軍の糾合が完了すると、フィンゴンは西から、マイズロスは東からアングバンドを挟撃してモルゴスの全軍を粉砕する計画を立てます。

連合軍はゴンドリンの思いがけない参戦で士気を大いに高めたものの、ウルファングの息子ウルドールの奸計でマイズロスは出撃を遅滞させられてフィンゴンと合流するタイミングを逸します。

アングバンドの門前で分断された両軍は、モルゴスの解き放った主力部隊とウルファングの息子たちの裏切りによって逆に挟撃される形となり、決定的な大敗北を喫しました。(ニアナイス・アルノイディアド)

フェアノールの息子たちはドワーフと共に血路を切り開いてドルメド山に撤退。

これ以後、マイズロスと兄弟たちはエレド・リンドンの山麓に逃れて緑のエルフと交わり、森で放浪の暮らしを行うようになります。

 

シルマリルの一つがトル・ガレンのベレンとルーシエンの手元にある間は、フェアノールの息子たちも手出しを控えていました。

しかし二人が死に、シルマリルがドリアスのディオル・エルヒールの手に渡ったことが知られると、再びフェアノールの誓言が目覚めます。

彼らはシルマリルを引き渡すよう書状を送り、これが拒否されるとケレゴルムに扇動されてドリアスを襲撃し、二度目の同族殺害が犯されます。

この戦いでケレゴルム、クルフィン、カランシアが戦死し、また幼かったディオルの子エルレードとエルリーンはケレゴルムの召使の手で森に置き去りにされ行方不明になります。

マイズロスはこれを大いに悔やみましたが、シルマリルがシリオンの港のエルウィングの手元にあることがわかると、再び誓言に突き動かされて三度目の同族殺害を起こします。

これによりアムロドとアムラスも戦死し、エルウィングはシルマリルと共に大海に身を投じることとなります。

 

やがてエアレンディルとエルウィングによってシルマリルの一つはアマンに到達し、それから天に上げられてエアレンディルの星となり、怒りの戦いでモルゴスは打ち倒され、その鉄の王冠に嵌っていた残り二つのシルマリルも、ヴァリノールの軍勢の手に取り戻されます。

エオンウェはシルマリルに対する彼らの権利は度重なる同族殺害で失効したと述べ、ヴァリノールに戻ってヴァラールの裁きを受けるようマイズロスとマグロールに命じます。

二人とも誓言に倦み疲れ、マグロールはエオンウェの命令に従うことを望んだものの、マイズロスはそれでも誓言の成就を試みることを主張。

マイズロスとマグロールは夜半にヴァリノールの軍勢の陣営を襲って見張りを殺し、保管されていたシルマリルを奪って逃走。

しかしエオンウェの言葉通り、シルマリルはもはや兄弟を正当な持ち主とは認めず、その身を焼きました。

そしてこれを悟ったマイズロスは苦悶と絶望のあまりシルマリルを抱いたまま大地の火の割れ目に身を投じて死にました。

 

・偉大なる伶人マグロール

フェアノールの次男です。優れた歌い手にして詩人であり、ドリアスの伶人ダイロンに次ぐ歌い手だったそうです。

兄弟たちの中では、長兄マイズロスと並んで穏健派でした。

中つ国で彼はマグロールの山間と呼ばれるようになるゲリオン川の北方の二つの上流に挟まれた地域を守備しました。

しかしダゴール・ブラゴルラハでグラウルングに突破され、ヒムリング山のマイズロスの許に逃れます。

その後のニアナイス・アルノイディアドでは、裏切り者の東夷ウルドールを討ち取りましたが、結局この戦いは敗北に終わります。

その後マグロールは他の兄弟たちと共にエレド・リンドンの山麓に逃れて緑のエルフと交わり、森の国の暮らしを行うようになりました。

 

やがてマグロールは、シルマリルを強奪するため兄弟と共にドリアス及びシリオンの港を襲撃して同族殺害を重ね、長兄マイズロスと共に兄弟で唯一の生存者となります。

マグロールは誓言の重荷に倦み疲れており、自らの襲撃によって母エルウィングを失ったエルロンドとエルロスの兄弟を不憫に思って養育しました。

両者の間には、ほとんど考えられないことでありながら、愛情が育っていったといいます。

怒りの戦いの後、残り二つのシルマリルがヴァラールの管理の下に置かれると、マグロールはヴァリノールでヴァラールの判決を受けよというエオンウェの命に従うことを望みます。

しかしあくまで誓言の呪縛を主張するマイズロスに説得され、二人で衛士を殺してシルマリルを奪い取ります。

シルマリルは二人をもはや正当な所有者とは認めず、身を焼かれたマグロールは苦しみに耐えかねてそれを大海に投じました。

以後、波打ち際で苦しみと悔恨の歌を歌い続け、二度とエルフ達の間には戻らなかったそうです。

 

・金髪のケレゴルム

フェアノールの三男。優れた狩人で、ヴァリノールではオロメの友であり、フアンの元の主人でもありました。

父と他の兄弟達と共にシルマリルを奪回するという誓言を立てて中つ国に上陸。

ダゴール=ヌイン=ギリアスではキーアダンを包囲していたモルゴスの軍勢を、エイセル・シリオンに近い丘陸から奇襲をかけ、セレヒの沼沢地に追い込んで撃滅しました。

その後ベレリアンドでは弟のクルフィンと行動を共にしてアグロンの山道とヒムラドの地を防衛し、力ある領主として知られましたが、ダゴール・ブラゴルラハで敗北し、領土を失います。

 

ダゴール・ブラゴルラハで領土を失ったケレゴルムとクルフィンは、自分たちの民を連れてナルゴスロンドへ避難します。

その後シルマリル奪取の誓言を立てたベレンがやってきて、フィンロドに助力を請うとフェアノールの誓言に駆られたケレゴルムとクルフィンは、ベレンの探求行を妨害します。

さらに自分たちがシルマリルを奪回する足がかりとするためにナルゴスロンドの王位を狙います。

二人はナルゴスロンドの民心を支配してフィンロドとベレンを見捨てさせ、王位を継いだオロドレスから実権を奪うと、さらにベレンを捜しにやってきたルーシエンを騙して幽閉し、彼女と政略結婚することでベレリアンドにおける自分たちの権力を増大しようと目論みました。

しかし猟犬フアンがケレゴルムに背いてルーシエンを助け、脱出した彼女はフアンと共にトル=イン=ガウアホスを陥としてそこに囚われていたベレンを救出。

これにより囚われていた他のエルフたちもナルゴスロンドに戻ってきてフィンロドの非業の死を伝えたため、兄弟は民心を失って追放されました。

 

兄弟にマンドスの呪いがつきまとっていることが誰の目にも明らかであったため、追放される二人に従おうとする者は彼らの民の中にすらいませんでした。

フアンは戻ってきてケレゴルムに従いましたが、両者の間にあった主従の愛は元には戻りませんでした。

二人は東街道を通って長兄のマイズロスがいるヒムリングへ向かいますが、道中、偶然ベレンとルーシエンの姿を目撃した二人はベレンを殺してルーシエンを奪い取ろうとします。

ケレゴルムは馬の蹄にかけてベレンをひき殺そうとしたが、跳躍でかわされ、この時、フアンは完全にケレゴルムに仕えることを止めてベレンとルーシエンの側に立ったため、兄弟は目的を果たすことができずに逃げ去りました。

ニアナイス・アルノイディアドの敗北の後は、他の兄弟達と共にエレド・リンドンの山麓に逃れて緑のエルフと交わり、森で放浪の暮らしを行うようになります。

ベレンの奪回したシルマリルがドリアスのディオル・エルヒールのものになっていることが知れると、再びフェアノールの誓言が発動。

ケレゴルムは集結した兄弟たちを煽動してドリアス襲撃を起こしましたが、メネグロスの戦いでディオルに討ち取られて戦死しました。

 

・黒髪のカランシア

フェアノールの四男。兄弟たちの中で最も苛酷で、気が荒く怒りっぽい性格でした。

ヘレヴォルン湖の畔に住居を構え、サルゲリオンの地を防衛していたため、サルゲリオンはドル・カランシアとも呼ばれました。

カランシアと彼の民はドワーフを蔑んでいましたが、感情より実利を優先して彼らと同盟を結び交易を行いました。

またサルゲリオンに住み着いた人間であるハラディンの族にはほとんど気をかけませんでしたが、彼らがオークに襲われた時は軍勢を率いて援軍に現れ、ハレスら生存者を救出しました。

ダゴール・ブラゴルラハでサルゲリオンが攻略されると、カランシアは彼の民の残党と、アムロドとアムラスの民を一つにまとめて、ラムダル山を越えて南に撤退します。

さらに後のニアナイス・アルノイディアドの敗北の後は、他の兄弟たちと共にエレド・リンドンの山麓に逃れて緑のエルフと交わり、森の国の暮らしを行うようになりました。

その後、兄弟たちと共にドリアス襲撃に参加して、その最中に戦死しました。

 

・巧みのクルフィン

フェアノールの五男。巧みのクルフィンと呼ばれ、父親の手の技を最も多く受け継いでいましたが、危険な怒りっぽい性格の持ち主でもありました。ケレブリンボールの父でもあります。

フェアノールと他の兄弟達と共にシルマリル奪回の誓言を立てて中つ国に上陸。

ベレリアンドでは兄のケレゴルムと行動を共にしてアグロンの山道とヒムラドの地を防衛し、力ある領主として知られましたが、ダゴール・ブラゴルラハで敗北し、領土を失います。

ダゴール・ブラゴルラハで領土を失ったケレゴルムとクルフィンは、自分たちの民を連れてナルゴスロンドに避難します。

その後シルマリル奪取の誓言を立てたベレンがやってきて、フィンロドに助力を請うと、フェアノールの誓言に駆られたケレゴルムとクルフィンは、ベレンの探求行を妨害。

さらに自分たちがシルマリルを奪回する足がかりとするためにナルゴスロンドの王位を狙います。

二人はナルゴスロンドの民心を支配してフィンロドとベレンを見捨てさせ、王位を継いだオロドレスから実権を奪うと、さらにベレンを捜しにやってきたルーシエンを騙して幽閉し、ケレゴルムと政略結婚させることでベレリアンドにおける自分たちの権力を増大しようと目論みます。

しかしルーシエンはフアンの助けを得て脱出し、トル=イン=ガウアホスを陥としてそこに囚われていたベレンを救出します。

これにより囚われていた他のエルフたちもナルゴスロンドに戻ってきてフィンロドの非業の死を伝えたため、兄弟は民心を失って追放されました。

兄弟にマンドスの呪いがつきまとっていることが誰の目にも明らかであったため、追放される二人に従おうとする者は彼らの民の中にすらおらず、この時ケレブリンボールも父を見限ってナルゴスロンドに留まりました。

そこで二人は東街道を通って兄マイズロスがいるヒムリングへ向かいますが、その道中、偶然ベレンとルーシエンの姿を目撃した二人はベレンを殺してルーシエンを奪い取ろうとしました。

クルフィンは馬上にルーシエンを抱え上げたますが、ベレンに跳びかかられて落馬し、喉首を締め上げられます。

ルーシエンのとりなしで一命は取り留めたものの、短剣アングリストと馬をベレンに取り上げられます。

これを恨みに思ったクルフィンは去り際にケレゴルムの弓を取って矢を放ち、ルーシエンを庇ったベレンが傷を負いますが、兄弟はフアンに追い立てられて逃げ去りました。

ニアナイス・アルノイディアドの敗北の後は、他の兄弟達と共にエレド・リンドンに山麓に逃れて緑のエルフと交わり、森で放浪の暮らしを行うようになります。

しかしベレンの奪回したシルマリルがドリアスのディオル・エルヒールのものになっていることが知れると、再びフェアノールの誓言により兄弟は集結してドリアスを襲撃しましたが、クルフィンはメネグロスの戦いで戦死しました。

 

・双子のアムロドとアムラス

フェアノールの六男のアムロドと七男のアムラスは双子の兄弟。共に優れた狩人でした。

アングバンドの包囲の間は後にエストラドと呼ばれる東ベレリアンドの南の地に共に定住し、ほとんど北方に出ることはありませんでした。

ダゴール・ブラゴルラハではカランシアと共にその地から撤退。

更にニアナイス・アルノイディアドの敗北の後は他の兄弟たちと共にエレド・リンドンの山麓に逃れて緑のエルフと交わり、森の国の暮らしを行うようになります。

その後二人は兄弟たちと共にドリアス襲撃にも参戦。

さらにシリオンの港のエアレンディルの族の襲撃にも参加しますが、その時に二人とも討ち死にします。

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