エダインとは第一紀のベレリアンドに到来したエルフの友たる三家（ドルソニオンのベオルの族、ブレシルのハレスの族、ドル＝ローミンのハドルの族）の人間のことを言います。
今回はベオルの族について詳しく見ていきます。
ベオルの族はベオルを始祖とするエダインの第一家系。
黒もしくは茶色の髪と灰色の目を持ち、人間の中では最もノルドールと似ていたそうです。
ベオルの族は人間の氏族の中でも最初にエレド・ルインを越えてベレリアンドに到来し、最初に辿りついたオッシリアンドの地で、始祖ベオルとその従者たちはノルドールの公子であるフィンロドと出会って友となります。
しかしオッシリアンドの緑のエルフたちは人間の到来を嫌い、フィンロドに使者を送ってベオルの族を立ち退かせるよう要求したため、ベオルの族はゲリオン川を越えてさらに西の地に移って定住します。
この地は後にエストラドと呼ばれ、後からベレリアンドに到来したマラハの族も、友好関係にあったベオルの族を頼ってこの地に移りました。
ベオルは一族の統治を息子バラン(Baran)に委ね、自分自身はナルゴスロンドでフィンロドに仕えました。
ベオルは44年間フィンロドに仕えましたが93歳のとき老衰で死に、人間の宿命を知らなかったエルダールを悲しませることになりました。
ベオルの族はバラン、ボロン、ボロミア、ブレゴールと続き、ブレゴールからはバラヒアが生まれます。
バラヒアはダゴール・ブラゴルラハにおいてセレヒの沢地に追い詰められたフィンロド・フェラグンドを、一党に多くの犠牲を出しながらも血路を開いて命がけて救出しました。
これを大いに感謝したフィンロドは、「バラヒア及びその一族がいかなることであれ難渋することがあればこれを助ける」との誓いを立て、その証として自らの指輪をバラヒアに与えたのです。
これがバラヒアの指輪であり、この指輪は遠い子孫のアラゴルン二世まで受け継がれます。
このダゴール・ブラゴルラハでは兄ブレゴラスが討ち死にしたため、バラヒアはベオル家の長となりました。
バラヒアの息子、ベレンは人間で初めてエルフのルーシエンと恋仲になり、モルゴスからシルマリルを奪還するという偉業を成し遂げます。
ベレンの息子ディオルはシンゴルの跡継ぎとしてドリアスの王となり、彼はドワーフに攻撃されて荒廃したドリアスの再建に力を尽くしました。
ディオルの娘、エルウィングはハドル家の家系から繋がるエアレンディルと結婚。エルロンドとエルロスを生みます。
エルロスはヌーメノールの初代王となり、そこからゴンドールの王統に繋がり、アラゴルン二世が生まれることになったのです。
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