フィンゴルフィン王家の話

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ロードオブザリング
Fingolfin | The One Wiki to Rule Them All | Fandomより引用

フィンゴルフィンはフィンウェの次男でフェアノールの弟です。

ダゴール=ヌイン=ギリアスで戦死したフェアノールに代わり、ノルドールの上級王の座を引き継ぎました。

フィンゴルフィンにはフィンゴン、トゥアゴン、アルゴンという3人の息子とアレゼルという1人の娘がいました。

しかしアルゴンは子を残さないままランモスの戦いで戦死します。

フィンゴルフィンはダゴール・ブラゴルラハの後、モルゴスに一騎討ちを挑みますが敗れ、討ち死にしてしまいます。

上級王の座はフィンゴンが引き継ぎました。

 

フィンゴンはサンゴロドリムに捕らわれたマイズロスを単身救出し、ノルドールに団結をもたらした人物。

アングバンドから初出撃したグラウルングを騎馬の弓兵を率いて撃退したことでも名を上げました。

生涯マイズロスとは親友であり、彼が提唱したマイズロスの連合にも参加。

ニアナイス・アルノイディアドでフィンゴンの軍はモルゴス軍を西から攻撃しますが逆に包囲され、バルログの長ゴスモグによってフィンゴンの部隊はトゥアゴンやフーリンたちと引き離され孤立してしまいます。

ついにはフィンゴンの近衛の兵は全て倒れ、フィンゴンはただ一人でゴスモグと闘いますが、もう一匹のバルログに背後を取られて火の紐を巻きつけられ、ゴスモグに黒い鉞で兜ごと頭を割られて討ち死にしてしまいます。

フィンゴンの遺体はモルゴスの配下たちによって矛(メイス)で散々に打ちのめされ、王旗は血溜まりの中で踏みにじられました。

 

フィンゴンの死後はトゥアゴンが上級王の座を引き継ぎます。

トゥアゴンは夢の中でウルモの啓示を受けて、隠れ王国ゴンドリンを建造した人物です。

妹のアレゼルもゴンドリンに移住して一緒に暮らします。

しかしアレゼルは乗馬による遠乗りや狩りを非常に好んだ人物で、しだいにゴンドリンでの隠れる生活に倦み、もう一度広大な土地や森の中を自由に逍遥することを望むようになります。

ゴンドリンが完成して200年経った頃、トゥアゴンから、長兄フィンゴンの元に行くという条件でゴンドリンを去る許しを受けてアレゼルは出発。

トゥアゴンは許可を与えたものの不吉な運命の予感に心を騒がせました。

 

アレゼルはゴンドリンを出た後、偶然ナン・エルモスに迷い込み、彼女を見初めたエオルの魔法に捕らわれます。アレゼルはそのままエオルの家に留まって彼の妻となります。

エオルはシンゴルの身内の一人であったシンダール・エルフで、ドワーフとも親しかったため、フェアノールやケレブリンボールと並ぶ高名な鍛冶師でもありました。

隕鉄から作り出した二振りの剣アングラヘル(後のグアサング)とアングイレルの制作者として知られます。

エオルとアレゼルの間には息子のマイグリンが生まれ、エオルは自分の技術を教えると共にノグロドやベレグオストに連れて行ってドワーフの技術を学ばせました。

しかしエオルはノルドール族を嫌っていたため、アレゼルとマイグリンがフェアノールの息子たちやゴンドリンの同族と接触することを厳しく禁じました。

 

そんなエオルの想いとは裏腹に、マイグリンは母の話を聞くうちにゴンドリンに憧れるようになり、アレゼルもエオルによって禁じられていたゴンドリンへの帰還を望むようになります。

そこで二人はエオルがドワーフの都ノグロドの祝宴に招かれた日に、ナン・エルモスを抜け出し、東街道を通ってゴンドリンに戻りました。

トゥアゴンはマイグリンを一目で気に入り、彼にゴンドリンで栄誉を与えることを約束して臣従を誓わせます。

一方妻子の逃亡に気付いたエオルは激怒して二人を追跡し、ゴンドリンの門がある枯れ川に入り込んだところを衛兵に捕えられ、トゥアゴン王のもとに引き出されました。

エオルは父としてあくまでマイグリンを連れ帰る権利を主張しますが、マイグリンはそれに応じませんでした。

トゥアゴンはエオルを妹婿として歓迎したものの、ゴンドリンの秘密を守るため、その地から出て行くことを禁じます。

これにエオルは逆上し、隠し持っていた投げ槍をマイグリンめがけて投げつけました。投げ槍は息子を庇ったアレゼルの肩に当たりましたが、その穂先に毒が塗ってあったため、アレゼルは急死してしまいます。

このためエオルには何の慈悲も与えられず、カラグドゥーアの断崖から投げ落とされて処刑されます。

この時エオルはマイグリンに向かって、「それではお前は、お前の父と、父の一族を見捨てるのだな、不孝者めが!この地でお前は、お前の望みのすべてを失うであろう。そしてお前も、いつかここでわたしと同じ死を死ぬがよい」と呪い、彼の死を予言しました。

 

トゥアゴンはその後もゴンドリンに留まったマイグリンを非常に寵愛しましたが、マイグリンがトゥアゴンの娘で自分の従姉にあたるイドリルへの、エルダールにとっては近親相姦に当たる報われぬ恋によって心を蝕まれていることには気づきませんでした。

その後トゥアゴンは、ウルモからハドル家の子息たちを歓待するよう告げられ、その予告通りフーリンとフオルがソロンドールの大鷲たちに連れられてゴンドリンにやって来ます。

トゥアゴンは彼らを深く寵愛し、1年後に別れを惜しみながら再び大鷲たちに運ばれていく彼らを見送りました。

ニアナイス・アルノイディアドの際にはトゥアゴンは兄フィンゴンの救援のためにゴンドリンの軍勢を率いて出陣し、戦場でフーリンとフオルに再会します。

そしてフオルは死ぬ間際に「今しばらくゴンドリンが倒れずにあれば、自分とトゥアゴンとからエルフと人間にとっての望みが生じるであろう」と予言しました。

 

ニアナイス・アルノイディアドで戦死したことで上級王の座を引き継いだトゥアゴン。

フオルの子トゥオルがゴンドリンを訪れると、トゥオルがゴンドリンに住んで7年後には、トゥアゴンはトゥオルとイドリルとの婚姻を認めて盛大な祝宴を開き、翌年の春にはトゥアゴンとフオルの双方にとって孫にあたり、(フオルの予言通り)後に中つ国の全てのエルフと人間にとっての救世主となるエアレンディルが生まれました。

しかしマイグリンはトゥオルの栄光と、彼が得た愛に嫉妬しました。

 

エアレンディルが誕生してしばらく後、採鉱の仕事のためゴンドリンの外に出ていたマイグリンは、オークに捕らえられてアングバンドに連行されてしまいます。

アングバンドに連れて行かれたマイグリンは、モルゴスの脅迫、トゥオル及びエアレンディルへの憎しみ、裏切りの報酬としてイドリルが与えられることを約束されたことから、ゴンドリンの位置をモルゴスに教えてしまいます。

ゴンドリンは龍、オーク、バルログらの軍勢に襲われて陥落し、トゥアゴン自身も戦いましたが、最後は自らの塔での戦いで討ち死にします。

マイグリンはゴンドリン襲撃の最中にイドリルとエアレンディルに手を掛けようとしました。

しかしイドリルたちを助けに入ったトゥオルと取っ組み合いになり、ゴンドリンの城壁から投げ落とされ、アモン・グワレスの岩壁に三度激突して炎の海の中へ落下していきます。

それはまさに父エオルが予言した通りの死に様でした。

 

トゥアゴンが死んだため、ノルドールの上級王の座はフィンゴンの息子であるギル=ガラドに引き継がれます。

(ギル=ガラドはオロドレスの息子という説もあり意見が分かれておりますが、ここではシルマリルの物語に描かれている設定のフィンゴンの息子というのを正史として扱います)。

ギル=ガラドは第二紀末まで上級王として中つ国に残ったエルダールを指揮しますが、最後の同盟の戦いでサウロンと相討ちの末に戦死。

ギル=ガラドは子を残さなかったため、ギル=ガラドが最後の上級王となります。

 

しかしフィンゴルフィン王家の血はエアレンディルからエルロンド、エルロスへ受け継がれ、エルロスからヌーメノールやゴンドールの王統へと受け継がれていきます。

 

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