フィナルフィン家の話

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ロードオブザリング
Finarfin - Tolkien Gatewayより引用

フィナルフィンはフィンウェの三男でフェアノール、フィンゴルフィンの弟です。

フィナルフィンは兄たちの不和からできる限り遠ざかって、しばしばアルクウァロンデのテレリたちの中に平安を求めて赴いていました。

そこでオルウェの息子たちの友となり、オルウェの娘エアルウェンを妻としてフィンロド、オロドレス、アングロド、アイグノール、ガラドリエルの父となります。

 

ノルドール族の中つ国帰還にもフィナルフィンは乗り気ではなく、オルウェの民(ファルマリ)が被害者となった同族殺害を目にして悲しみと苦い感情に満たされ、マンドスの宣告が下されるとついに進軍を止め、ヴァリノールに引き返しました。

彼の民の多くも悲しみと共に引き返し、彼らはヴァラールから赦しを得ることが出来、以後フィナルフィンはアマンのノルドールの残党を統治します。

しかし彼の五人の子はフィンゴルフィンの子らを見捨てることができず、彼らと共にヘルカラクセを渡って中つ国に帰還しました。

 

フィンロドはベレリアンドにおいて、彼の母エアルウェンの伯父にあたるドリアスの王シンゴルや、ファラスの領主キーアダンと友好関係を築き、ノルドールとシンダールの橋渡し役をこなしました。

フィンロドはトゥアゴンと共にシリオンの川辺を旅した際に、夢の中でウルモより啓示を受け、ナルゴスロンドという隠れ都市を建造します。

フィンロドは、青の山脈を越えてオッシリアンドに到来した最初の人間たち(後のベオルの族)に初めて出会ったベレリアンドのエルフとなります。

ベオルの族はフィンロドを愛し、フィナルフィン王家に忠誠を尽くした。ベオルの族の始祖ベオルはフィンロドに終生仕えました。

またフィンロドは、ハレスの族がシンゴルからブレシルの森に住まう許しを得られるよう助力しました。

 

後にフィンロドは、ダゴール・ブラゴルラハの合戦で敵に包囲されたところをバラヒアによって救われたため、以後バラヒアとその一族が危急に瀕した際には必ず助けるという誓言を立て、その証として自らの指輪をバラヒアに与えます。

その後、シンゴルからルーシエンとの結婚の条件としてシルマリルを要求されたベレンが、バラヒアの指輪を手にフィンロドを頼ってナルゴスロンドにやってくると、フィンロドは誓言を守って、モルゴスの元へと向かうベレンと行動を共にします。

フィンロドはナルゴスロンドの王位を弟のオロドレスに託して旅立ちました。

彼らは途中で出会ったオークの装備を奪うと、フィンロドの魔法でオークの姿に変装し、モルゴスの勢力圏であるシリオンの山道を通り抜けようとします。

しかし正体を見抜いたサウロンの命によって一行はトル=イン=ガウアホスのサウロンの許に連行されてしまいます。

フィンロドはサウロンと歌で戦うが敗れ、一行は土牢に囚われます。サウロンは一行の意図を探るために脅迫し、投獄した彼らを一人ずつ巨狼に喰わせました。

サウロンは、フィンロドが一行の指導者だと推測していたため、フィンロドは最後まで殺さないようにしておきました。

やがて巨狼がベレンを食べに来た時、フィンロドは力の限りを尽くして自らの縛めを破り、ベレンを守って巨狼と相討ちになって死にました。

 

ナルゴスロンドの王位を引き継いだオロドレスはナルゴスロンドを訪れたトゥーリンを重用します。

オロドレスはトゥーリンの意見をいれて、ナルゴスロンドの民はそれまでの隠れ忍ぶ戦いから、堂々と出陣する戦いを行うようになりました。

しかしその結果、ナルゴスロンドの存在と所在地はモルゴスの知るところとなり、攻撃を受けてしまいます。オロドレス自身は、トゥムハラドの合戦の最前線で討ち死にしてしまいました。

 

オロドレスにはフィンドゥイラスという娘がいました。フィンドゥイラスは元々ナルゴスロンドの貴族グウィンドールの恋人でしたが、ナルゴスロンドにやってきたトゥーリンを愛すようになります。

トゥーリンはフィンドゥイラスに好意を持ってはいましたが、それは彼女に幼くして死んだ妹ラライスの面影を重ねていたためであり、彼女の思いには気づきませんでした。

このことを知ったグウィンドールは、フィンドゥイラスに対して彼女自身の愛が導くところへ行くようにと言い、同時にトゥーリンの本当の素性と名前を教え、彼の背負う不吉な運命について忠告します。

フィンドゥイラスはトゥーリンに、彼の本当の素性と名を知ったこと、彼をもっと理解したいと願っていることを伝えました。

しかしトゥーリンは彼女の真意を理解せず、自分のことをフィンドゥイラスに教えたグウィンドールに抗議します。

グウィンドールは、トゥムハラドの合戦で瀕死の重傷を負ってトゥーリンに助け出された時、彼に「フィンドゥイラスのみがトゥーリンの凶運を阻むことができる」と予言し、モルゴスの軍勢に襲撃されたナルゴスロンドから、フィンドゥイラスを救うようトゥーリンに言い残して死にました。

しかし陥落するナルゴスロンドでグラウルングに呪縛をかけられたトゥーリンは、フィンドゥイラスを救うことに失敗。

フィンドゥイラスは他の女達と共に捕虜としてオークに連れ去られ、テイグリンの渡り瀬のそばでブレシルのハレスの族がオークを攻撃した時、オークに槍で木に磔にされて死んでしまいました。

 

アングロドとアイグノールはダゴール・ブラゴルラハの際に討ち死に。

よって中つ国のフィナルフィン家で残ったのはガラドリエルのみとなります。

ガラドリエルは兄フィンロドと行動を共にしていましたが、やがて客人として訪れたドリアスでケレボルンと出会い結婚。その地に移り住みます。

そしてドリアスの女王であるマイアのメリアンから多くの教えを受けました。

ガラドリエルは一人娘のケレブリアンを生みます。

 

ケレブリアンは第二紀のエルフとサウロンの戦い(1693~1701)以降に、ガラドリエルに連れられてローリナンドから当時ケレボルンのいた裂け谷へ移り住みました。

その時にエルロンドに一目惚れされ結婚。

第三紀130年に双子の息子エルラダンとエルロヒアを、241年に娘のアルウェンを産みました。

しかし第三紀2509年、ケレブリアンはロスローリエンへ向かう途上の赤角山道でオークの待ち伏せを受けて囚われ、拷問され毒の傷を負います。

彼女は息子のエルラダンとエルロヒアによって救出され、夫のエルロンドにより肉体の傷は癒されましたが、中つ国で生きる喜びを失い、翌2510年に灰色港からアマンへ去ります。

この事件をきっかけに、エルラダンとエルロヒアはオークに復讐のための戦いを挑み続けるようになります。

エルラダンとエルロヒアは指輪戦争にも参戦しアラゴルンら旅の仲間と共に戦います。

 

アルウェンは第三紀2951年、裂け谷に戻っていた折、20歳になって成人したアラゴルン二世に見初められます。

その後2980年、旅路でロスローリエンを通りかかったアラゴルンと、たまたまその時ロスローリエンにいたアルウェンは再会し、ケリン・アムロスの丘にて婚約。その証としてアルウェンは、アラゴルンからバラヒアの指輪を受け取ります。

第三紀3019年(大いなる年)、指輪戦争が終結しサウロンが滅ぼされると、その年の夏至にアルウェンはミナス・ティリスにおいてエレスサール王として戴冠したアラゴルン二世と挙式し、以降は再統一された王国の王妃として栄光の時を過ごします。

しかしそれは、アルウェンが中つ国を去ってアマンへ赴く権利を放棄することであり、人間と同じく限りある命しか持たぬ身となること、また父であるエルロンドら同族との、世の終わりのまで続く別れを意味していました。

アルウェンはフロド・バギンズとの別れに際して彼が受けた傷を案じ、もし傷が癒えない時は自分の代わりに西方へ渡るようにと、首にかけていた白い宝石を彼に与えました。

 

第四紀120年、王家の廟所でエレスサール王の今際を看取ったアルウェンは子供達や親しかった者に別れを告げ、ミナス・ティリスを去ります。

そして、ガラドリエルやケレボルンが去って沈黙の地となっていたロスローリエンに赴いて冬が来るまで一人で暮らし、最後はかつてアラゴルンと婚約した場所であるケリン・アムロスに身を横たえたといいます。

フィナルフィン家の血はヌーメノールやゴンドールの王統に繋がっていませんでしたが、アラゴルンとアルウェンの結婚により初めてゴンドールの王統にフィナルフィン家の血が混じり、その血はアラゴルンとアルウェンの息子、エルダリオンらに引き継がれました。

 

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