オークの話

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ロードオブザリング
映画ロードオブザリングより引用

オークは星々の時代にメルコールが自らの奴隷とするために、捕らえたエルフを堕落させて作った存在であるとも、エルフや人間を真似て作り上げた存在であるとも言われる種族です。

オークという言葉はローハン語に由来し、シンダール語ではイルフ、またはグラムホスと呼ばれ、野人にはゴルグンと呼ばれました。また暗黒語ではウルクと呼ばれます。

オークの存在がエルフ達に初めて知られたのは星々の時代の末期で、主人であるメルコールが帰還する気配に呼応するように中つ国の東方に出没して自由の民を恐れさせました。

第一紀にモルゴスが中つ国に帰還してからは、アングバンドに君臨するモルゴスの主要な手勢としてベレリアンドのエルフの諸侯や人間(エダイン)の諸族と戦いました。

怒りの戦いでは、ヴァリノールの軍勢にほとんどが滅ぼされましたが、少数が逃れて生き残ります。

第二紀では、モルゴスの跡を継いだサウロンに支配され、その下で再び数を増やしましたが、サウロンが最後の同盟に敗北すると支配者がいなくなり大きな徒党を組むことはなくなり、バラバラになります。

しかし第三紀にサウロンが蘇ると、再び彼の意志の下で働くようになりました。

ここからは作中に登場する主なオークについて紹介します。

 

・アゾグ

第三紀2790年、単身モリアの東門(大門)に入り込んできたスロールを殺し、その切断した首に己の名を焼印して、モリアは自分のものだと宣言します。

そしてこのことを他のドワーフ達に伝えるよう、スロールの従者ナルに要求し、「駄賃」として小銭袋をナルへ投げつけました。

この出来事が2793年から始まるドワーフとオークの戦争のきっかけとなります。

ドワーフの連合軍によって霧ふり山脈のオークはモリアに追い詰められましたが、最後の戦いである2799年のナンドゥヒリオンの合戦において、アゾグはくろがね連山のナインと戦って彼を殺します。

しかしその最中に自陣が全滅したことに気づいてモリアに逃げ帰ろうとしたところを、後を追ってきたナインの息子ダインに討ち取られます。

その首は杭にさらされ、口にはかつて彼が投げつけた小銭袋が突っ込まれました。

 

・ボルグ

モリアのオークの首領であったアゾグの息子。

トーリンとその仲間に大ゴブリンを殺されたことでオーク(ゴブリン)の軍勢がグンダバド山に集結すると、ボルグは彼らを率いてエレボールを襲撃し、五軍の合戦を引き起こします。

彼には「ボルグの用心棒」と呼ばれる親衛隊が存在し、三軍と激戦を繰り広げましたが、ボルグは合戦場に現れたビヨルンに踏み潰されて死にました。

 

・大ゴブリン

霧ふり山脈のゴブリン町にいた、巨大な頭を持つゴブリンの首領。

『ホビットの冒険』においてトーリンとその仲間は、それと知らずゴブリン町の入口である洞窟で休息していたところをゴブリン達に捕らえられ、この大ゴブリンの許へ引き据えられて尋問されます。

大ゴブリンはトーリンが所持していたオルクリストを見て、彼らがエルフの仲間だと知り激怒しますが、直後にトーリンたちを助けに来たガンダルフのグラムドリングの一撃を受けて討たれました。

これに霧ふり山脈中のゴブリンは怒り、アゾグの息子ボルグを大将としてグンダバドに集結後、はなれ山を襲撃し五軍の合戦が起こります。

 

・ゴルフィンブール

グラム山のオーク(ゴブリン)の王。

第三紀2747年、オークの一団を率いてホビット庄へ侵入しましたが、緑野の合戦においてバンドブラス・トゥックに討ち取られます。

バンドブラスの木の棍棒に殴られたゴルフィンブールの首は、空中を100ヤード飛んで、兎の穴に落ち、そこからゴルフという遊びができたといいます。

 

・グリシュナッハ

パルス・ガレンで指輪の仲間を襲撃したモルドール組のオークのリーダー。

ウグルクらサルマン配下のウルク=ハイやモリアのオークと共に、パルス・ガレンの指輪の仲間の襲撃に加わります。

グリシュナッハはバラド=ドゥーアから命令を受けており、捕虜のメリーとピピンを直ちにアンドゥインの東岸で待つナズグルに引き渡すべきだと主張し、アイゼンガルドへ連行しようとするウグルクと対立します。

しかし勢力争いに敗れ一時撤退。

その後、捕虜を取り返すために再び姿を現し、アンドゥインを渡って来た新たな部下を引き連れて数を増してウグルク達と合流しますが、その時にはすでに彼らの一団はエオメル率いるロヒアリムの騎馬隊から追跡されており、捕虜の行き先を争える状況ではなくなっていました。

そして彼らはファンゴルンの森のそばにある小山で騎馬隊に包囲されます。

グリシュナッハは一つの指輪についてかなりのことを承知していたらしく、この窮地に際してメリーとピピンの体を探って指輪を手に入れようとし、それをメリーとピピンに気取られて取引を持ちかけられます。

これにグリシュナッハは激怒して二人を抱え上げ、夜闇に乗じて包囲網から脱出を図りましたが、ロヒアリムの乗手に発見されて討ち取られました。

 

・シャグラド

キリス・ウンゴルの塔に駐屯するオークの守備隊長。

塔の番人の警告を受けてゴルバグの部隊と共にキリス・ウンゴルを警戒中、シェロブの毒針に刺されて仮死状態となっていたフロド・バギンズを発見し、塔へ連れ帰ります。

その後、捕虜と分捕り品を命令通りバラド=ドゥーアに届け出ようとして高圧的な態度を取ったため、ゴルバグと仲間割れを起こし、これが両者の部隊間の殺し合いに発展。

シャグラトは戦いを生き延び、ゴルバグに止めを刺した後、ミスリルの胴着やエルフのマント、塚山出土の剣などのフロドの装身具を持って、塔に潜入したサムワイズ・ギャムジーの眼前から逃げ去り、塔から逃げ出して3日後の3月17日にそれらの装身具をバラド=ドゥーアに届けました。

 

・ゴルバグ

ミナス・モルグルに所属するオークの隊長。

ナズグルの警告を受けてシャグラトの部隊と共にキリス・ウンゴルを警戒中、シェロブに刺されたフロド・バギンズを発見し、キリス・ウンゴルの塔に運び入れます。

その後、命令を無視して捕虜と分捕り品(特にミスリルの胴着)を着服しようとしたためにシャグラトと仲間割れを起こし、これが両者の部隊間の殺し合いに発展。

ゴルバグはシャグラトに重傷を負わされた後、死んだ振りをして隙を伺っていたところを察知され、シャグラトに止めを刺されました。

 

・ゴスモグ

モルグルの副官と呼ばれるオーク。

ペレンノール野の合戦において、モルドール側の総大将である魔王が滅ぼされた後、彼に代わってオスギリアスに待機させていた東夷やハラドリムからなる後続部隊を戦場に投入します。

エオウィンと戦いましたが、魔王と戦って負傷したエオウィンに止めを刺そうとしていたところを、アラゴルンとギムリに殺されました。

 

・シャーク

アイゼンガルドのワーグ乗り。斥候の隊長として、ヘルム峡谷へ避難するセオデンの一行を襲撃しました。

戦いの終盤にアラゴルンに切りかかりますが、返り討ちにあい致命傷を負います。

彼の乗っていたワーグはアラゴルンを道連れに崖から落下し、シャークはレゴラスとギムリにそのことを告げて死にました。

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