レンバスの話

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ロードオブザリング
映画ロードオブザリングより引用

レンバスはエルフの携行保存食です。

一枚食べるだけで一日たっぷり歩けるほど活力が付き、走りながら食べることもできるほど扱いやすく、味も非常に美味な食料です。

軽くて持ち運びに適し、また葉に包まれたままで割れなければ何日でも効能が落ちません。

 

レンバスは元々エルフの大いなる旅において長い旅路の助けとなるよう、ヤヴァンナがアマンで育つ穀物の一種から作りだし、オロメを通じて与えられたものでした。

レンバスの材料となる穀物は降り注ぐあらゆる光を栄養とするため、僅かな太陽の光のみで実を結びます。また寒期を除けばどの季節に蒔いてもすぐに生育しました。

ただし中つ国の植物の影の下では育たず、モルゴスが住む北方から来る風には耐えられませんでした。

そのためエルダールはこの穀物を守られた土地や、日の光が当たる空き地で育てました。

収穫には金属の刃は用いられず、大きな金色の穂が一つずつ手で集められました。その輝く藁に触れる虫や害獣はおらず、腐敗やカビ等の中つ国の害悪とも無縁でした。

レンバス作りに携わるのは「ヤヴァンナの乙女」であるエルフの女性のみで、ヴァラールから教わったその技は彼女たちの秘密でした。

また、ヤヴァンナに起源を持つため、レンバスの保管と贈与はエルダールの民の中で王妃のような最高位の女性の権限とされました。

 

中つ国ではレンバスは常に貴重なものであったため、エルダールであっても困難な長旅を行く者や、怪我・苦痛で命が危険な者にのみ与えられました。

またレンバスは基本的に人間には与えられませんでした。これはエルダールがレンバスを有限の命の者には広めないよう命じられていたためです。

有限の命の者が頻繁にレンバスを食すると、その命に倦み疲れてエルフたちの間に留まりたくなり、禁じられたアマンへ行くことを望むようになるからだと言われています。

レンバスが人間に与えられたわずかな例としてはトゥーリンを助けに向かうベレグにメリアンが与えた例、エルフのヴォロンウェと共にゴンドリンを目指した時のトゥオル、指輪戦争でガラドリエルから指輪の仲間に与えられた例のみが記録に残っています。

最後の同盟当時のドゥーネダインも、「行糧の薄焼きパン(wafers of a waybread)」を持っていましたが、これはエルフのレンバスに準ずる効能を持つもので、レンバスそのものでは無かったと言われています。

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