ゴンドール3大都市の話

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ロードオブザリング
映画ロードオブザリングより引用

ゴンドールにはオスギリアス、ミナスイシル、ミナスアノールという3つの都市がありました。

最初に首都として栄えたのがオスギリアス。

シンダール語で「星々の砦(Fortress of the Stars)」を意味し、大河アンドゥインに架けられた橋の上を中心としてその両岸にまたがって建造されました。

ゴンドール最盛期においては大いに栄えましたが、徐々に衰退の歴史を辿ることになります。

まず第三紀1432年にエルダカールの戴冠によって勃発した同族の争いにより、包囲戦の末に1437年に陥落し、炎上。

そして1636年に悪疫が流行すると、オスギリアスでは大勢の人々が死に、生き残った人々も都から避難して人口は減少します。

この時、オスギリアスは一部が放棄されて荒廃し始めたため、1640年にゴンドールの首都はミナス・アノールに遷都されました。

さらに2002年にミナス・イシルが陥落してミナス・モルグルと化し、ナズグルの居城になると、残っていた住民も多くが逃げ去ります。

そして2475年にオスギリアスはモルドールのウルクの攻撃を受けた結果、ついに完全な廃墟となり、大きな石橋が破壊されました。

以降、オスギリアスはアンドゥインを巡るゴンドールとモルドールの戦闘の舞台となりましたが、ゴンドールは駐屯部隊を派遣してオスギリアスの防衛を続け、アンドゥインの通行権は指輪戦争まで保持し続けることができました。

 

オスギリアスから遷都されたミナス・アノールはシンダール語で「太陽の塔」を意味します。

周囲にはペレンノール野が広がり、ゴンドール元来の首都オスギリアスを防衛するためのアンドゥイン西岸の砦であり、当初はゴンドール王の夏の離宮として利用されていました。

これに対してアンドゥイン東岸にあった砦が「月の塔」の意であるミナス・イシルです。

第三紀2年にはイシルドゥアが北の領地に向かう前にミナス・アノールに立ち寄り、白の木の実生を移植しました。

そして1636年から発生した悪疫でオスギリアスの人口が激減し、さらにミナス・アノールの白の木の枯死すると、1640年に当時の王タロンドールはゴンドールの王宮をミナス・アノールへ永久的に移し、城塞に新たな白の木の実生を移植しました。

1900年にはカリメフタール王によって白の塔が築かれ、この塔は2698年に執政エクセリオン一世によって再建されたため、以後は「エクセリオンの塔」とも呼ばれます。

2002年にナズグルの攻撃によって陥落したミナス・イシルがミナス・モルグルに変貌すると、モルグルの脅威に対峙する警戒怠りない都として、ミナス・アノールは名をシンダール語で「守護の塔」を意味するミナス・ティリスに改められました。

指輪戦争ではゴンドールに残る最後の都市としてモルドールの包囲攻撃を受けましたが、ローハンからの援軍と、アラゴルン二世が率いてきた辺境の諸侯国からの援軍によってモルドール軍は駆逐され、ミナス・ティリスは守られました。

第四紀となって再統一された王国が実現すると、ミナス・ティリスはエレスサール王の王宮となります。

ギムリらエレボールのドワーフたちの手によって、指輪戦争により破壊された大門はミスリルと鋼を用いて再建されました。

そして指輪の仲間のメリアドクとペレグリンは最晩年をこの地で過ごして亡くなりました。

エレスサール王はミナス・ティリスで身罷り、ラス・ディネンの王たちの墓に葬られ、二人のホビットの棺は王の両隣に並んで置かれたといいます。

 

ミナス・イシルはシンダール後で「月の塔」を意味し、オスギリアスの東を防衛するため、西のミナス・アノール(「太陽の塔」)と対になって築かれた砦でした。

ミナス・イシルは元来ゴンドールの建国王の一人イシルドゥアの居城であり、モルドールへの威嚇のために築かれた砦であり、白の木も当初はここに植えられていました。

しかし第二紀3429年、ヌーメノールの没落を逃れてモルドールへ戻っていたサウロンとの間で戦争が勃発。

ミナス・イシルは攻撃を受けて陥落し、白の木も焼かれましたが、イシルドゥアは妻子と共に木の実生を携えて脱出し、白の木の実生をこの戦争で戦死したアナーリオンの居城であったミナス・アノールに移植しました。

その後、ミナス・イシルをはじめとする国境の砦群はモルドールを監視する役目を担いましたが、第三紀1636年にゴンドールで猛威を振るった悪疫のために、国境の砦群はほとんどが打ち捨てられ、無防備になります。

そしてついに第三紀2000年、アングマールの魔王は配下のナズグル達を率い、ミナス・イシルを包囲攻撃の末2002年に陥落させて占領します。

魔王の手に落ちたミナス・イシルは甚だしい恐怖の場所へと変貌し、シンダール語で「呪魔の塔」を意味するミナス・モルグルと呼ばれるようになりました。

指輪戦争では、開戦時にバラド=ドゥーアから赤い稲妻が、それに呼応してミナス・モルグルからは鉛色の稲妻がそれぞれ開戦の烽火として空に放たれました。

この地から出撃した魔王やその軍勢はペレンノール野の戦いで殲滅されましたが、ミナス・モルグルとその谷には依然として姿なき恐怖が潜み続けていました。

そのため黒門に向かう途中の西軍もここに立ち寄ったものの足を踏み入れることはせず、ガンダルフとアラゴルンらによって、死の花々が咲く原に火が放たれました。

サウロンの没落後も、この地に植え付けられた恐怖があまりにも大きなものであったため、ミナス・イシルとして再建されることはなく、エレスサール王(アラゴルン)によって徹底的な破壊が命じられました。

 

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