ロードオブザリング戦いの幕開け 勢力と拠点解説 ロスロリアン編

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ロードオブザリング
ロードオブザリング戦いの幕開けより引用

アプリゲーム、ロードオブザリング戦いの幕開けはユーザーが各勢力に分かれて勢力争いをするゲームです。

マップには原作でも特徴的な建物が再現されていますので、各勢力と建物を解説したいと思います。

この知識を理解した上でゲームをやれば、より楽しめるのではないかと思います。

なおゲームの解説ではなく原作の地理の解説です。

ゲームでは勢力争いによってある地域が別の勢力に入ったりと移り変わりがありますし、原作ではどこの地域にも属さない地域でも、ゲームではある勢力に割り振られていることもあります。

そのあたりを割り切って頂いた上で一連の記事を読んで頂くことを推奨致します。

 

今回は自由の民勢力の一つ、ロスロリアンを紹介します。

ロスロリアンはガラドリエルとケレボルンが住んでいるカラス・ガラゾンが首都となっていますが、裂け谷や森の王国もゲームではロスロリアンに含まれており、第三紀中つ国におけるエルフの拠点は全てロスロリアンに含まれているというのがこのゲームの特徴です。

なのでゲームではロリアン、鳴神川、あやめ野、アンドゥインの谷間上流域、南アンドゥインの谷間、タウル・エノラス、森の王国、東入地といったあたりが主にロスロリアンの勢力圏というイメージです。

 

首都のカラス・ガラゾンがあるロリアンはマルローン樹の生える森であったことから、「黄金の森」とも呼ばれました。

ロードオブザリング戦いの幕開けより引用

ロスロリアンのエルフは木の上に住むという特異な習慣があり、そのため彼らはシンダール語で「木に住む者」を意味するガラズリムとも呼ばれます。

この地は第一紀からシルヴァン・エルフが住んでおり、第一紀の終わりから第二紀の初めにかけての時期に、アムディーアというエルフがベレリアンドから、ロリアンに到ってこの地を治めました。

その後最後の同盟の戦いでアムディーアが戦死すると、第三紀はアムディーアの息子アムロスによって統治されるようになります。

しかし第三紀1980年、モリアのドワーフがバルログを呼び起こすと、多数のシルヴァン・エルフが南に逃れ、アムロスもエゼルロンドの港からアマンへ去ろうとしました。

統治者のいなくなったロスロリアンはガラドリエルとケレボルンを統治者として迎えようとします。

二人はロスロリアンを治めるようになりましたが、君主としての称号を帯びることをせず、あくまでガラズリムの指導者かつ守護者としての立場に留まりました。

 

この地はガラドリエルが持つ三つの指輪の一つネンヤの力によって守られており、悪による汚れや時による衰えの影響を免れた特別な土地でした。

他方で、この地に足を踏み入れることは定命の者(人間やホビット、ドワーフ)にとってはエルフの生きる時間の中に入るようなことであるため、危険なことと見なされていました。

そして、その噂を知るロヒアリムやゴンドール人には、生身の人間が一度入ったら二度と生きて戻れない、恐るべき森と言い伝えられてきました。

 

指輪戦争時、指輪の仲間達はこの森に迷いこみましたが、ロスロリアンのエルフは彼らを一時匿い、別れに際しては旅に役立つ贈り物を授けました。

指輪の仲間が出発したあと、ロスロリアンはドル・グルドゥアの軍勢に三度攻撃されますが、彼らはこれらの攻撃を凌ぎ切ります。

その後一つの指輪が破壊されると、ケレボルンに指揮されたロスロリアンの軍勢はドル・グルドゥアを攻撃し、ガラドリエルがドル・グルドゥアの要塞を破壊して浄化しました。

 

ロリアンの北西はエレギオンという地域になっており、ここは第二紀750年に中つ国に留まったノルドールによって築かれたエルフの国です。

ケレブリンボールがその領主であり、ケレボルンとガラドリエルも一時期ここに住まっていたといいます。

しかし第二紀1200年頃、正体を隠して美しく装ったサウロンがエレギオンに接近。

その助力を得てケレブリンボールを中心としたグワイス=イ=ミーアダイン(エルフの金属細工師たち)は第二紀1500年から1590年にかけて力の指輪を制作しました。

その後第二紀1600年、サウロンが全ての力の指輪を統べる一つの指輪を完成させると、エルフ達はサウロンの真意に気がつき、指輪を隠してサウロンに抵抗します。

しかし第二紀1697年にエレギオンは攻め滅ぼされて、繁栄は終わり、荒廃します。

エレギオンを救うためリンドンよりエルロンドが派遣されましたが間に合わず、エルロンドは裂け谷を作ってエレギオンの残党をそこに撤退させました。

映画では裂け谷を出発した直後の指輪の仲間が通り過ぎているのがエレギオンの廃墟であり、ここでサルマンのスパイであるクリバインの偵察を受けています。

映画ロードオブザリングより引用

エレギオンを北に行くと鳴神川という地域になっており、ここにあるのがエルロンドが建造した裂け谷です。

裂け谷は霧ふり山脈の西の麓近く、鳴神川が流れる天然の要塞で、エルロンドの住まう「最後の憩」館がありました。

鳴神川はエルロンドの支配下にあり、彼は必要とあれば川を増水させて浅瀬の通行を遮断することができました。

映画ではアルウェンとフロドを追うナズグルを川の水で押し流したシーンでそれが描かれています。

ロードオブザリング戦いの幕開けより引用

裂け谷は第三紀に入っても中つ国におけるエルフの拠点として存続し続け、アングマールと戦う北方王国のドゥーネダインにも度々力を貸しました。

北方王国の滅亡後は野伏の族長たるイシルドゥアの世継ぎ(アラゴルン二世を含む)は、裂け谷で養育されるようになります。

また裂け谷には、北方王国の宝器であるバラヒアの指輪、アンヌーミナスの王笏、折れたナルシル、エレンディルミアが預けられていました。

指輪戦争が終わり第四紀に入ると、エルロンドは中つ国を去りますが、その息子のエルラダン、エルロヒアとその仲間のエルフはこの地に残りました。

そしてエルロンドと共にガラドリエルが中つ国を去ってから数年後には、ケレボルンもロスロリアンから裂け谷へと移り住みました。

 

鳴神川の東にはあやめ野という地域があり、ここはエルフが支配していた地域というわけではありませんが、作中で重要な場所ですので、ここで紹介しておきます。

ここは大河アンドゥインとあやめ川の合流点に広がる大湿原です。

あやめ野はイシルドゥアがオークの攻撃で命を落として一つの指輪が失われた場所であり、後にデアゴルがこの川底から一つの指輪を発見し、指輪を欲しがったスメアゴルに殺された場所でもあります。

 

あやめ野をさらに東に行くとアンドゥインの谷間という地域になっており、ロスロリアンより北が上流域、ラウロスより南が下流域と呼ばれています。

二つの木の時代からシルヴァン・エルフが住んでおり、第三紀のアンドゥインの上流域には、シルヴァン・エルフの他に人間や、エリアドールに移住する前のホビットが住んでいました。

ここに住む人間はアンドゥインの谷間の人間と呼ばれ、北国人、エオセオド、森人、ビヨルン一党がこれにあたります。

第三紀のアンドゥインの谷間の人間はゴンドールと同盟を結び、東夷のような西方世界を脅かす敵と戦いました。

その中のエオセオドはアンドゥインの源流域からカレナルゾンへ移住し、ローハンを建国しています。

 

アンドゥインの東には闇の森と呼ばれる大森林が広がります。

かつてここは緑森大森林と呼ばれる非常に古い森林でしたが、第三紀に死人占い師の影響によって影が落ち、恐ろしく危険な場所に変わってしまったことで闇の森と呼ばれるようになりました。

元々は二つの木の時代からシルヴァン・エルフが住んでおり、第二紀以降、彼らはベレリアンド崩壊を逃れてきたシンダールの公子達を統治者として受け入れました。

そうした公子の一人オロフェア(レゴラスの祖父)は、アンドゥイン以東のシルヴァン・エルフを治める王となります。

当初オロフェアは闇の森の南西部、ロスロリアンの対岸にあるアモン・ランク(後のドル・グルドゥア)の近くに住んでいましたが、サウロン勃興の噂におののいて三度北に移住し、森の王国を建国しました。

彼らは最後の同盟に参加してサウロンを敵として戦いますが、独立心が強くギル=ガラドの最高指揮権を認めなかったことと、装備が軽装であったことから大損害を受け、森へ帰還した時にはその数はもとの三分の一にまで減少してしまいました。

さらにこの戦いでオロフェアも戦死したため、その息子のスランドゥイルが第三紀を通じて王となりました。

森のエルフの数は再び増え始めましたが、第三紀の中つ国は着実に人間の世界へ変化していき、森の周囲に北方の自由の民や東夷などの人間が増え、ドル・グルドゥアの闇の勢力が拡大するに伴い、エルフはさらに森の北東部へ後退していき、スランドゥイルは森の端に近い場所に宮殿である岩屋を築きました。

ロードオブザリング戦いの幕開けより引用

その後も死人占い師の投げかける恐怖の影は断続的に森に広がっていき、やがてエルフがいる地域以外は、巨大な蜘蛛(シェロブの末裔)をはじめとした邪悪なものが徘徊し、昼でも太陽の光がほとんど差さず、川の水すら真っ黒な恐ろしい場所となってしまいました。

このため森林はシンダール語で「大いなる恐怖の森(Forest of the Great Fear)」の意であるタウア=エ=ンダイデロス、共通語で「闇の森」の名で呼ばれるようになりました。

ゲームでは森の王国の西にタウル・エノラスという地域がありますが、これはおそらくタウア=エ=ンダイデロス(Taur-e-Ndaedelos)のことを指しているのではないかと思われます。

闇の森南東部には湾のように大きく入り込んでいる土地があり、ここが東入地です。北国人による長年の伐採で非森林地帯となっています。

しかし東夷との相次ぐ戦乱と広がる死人占い師の影のために、人間の勢力も次第に北へと追いやられていきました。

 

闇の森は第三紀末(2941年頃)にはほとんど全体が暗闇に覆われており、森を東西に抜ける古森街道も荒廃して使用不能になっていました。

エレボール遠征の途上、トーリン二世率いる13人のドワーフとビルボ・バギンズの一行は闇の森を通過するためエルフ道を使用しましたが、道を外れてしまい、蜘蛛に襲われます。

蜘蛛を撃退した後には森の王国のエルフ王の岩屋に捕らえられ、ビルボ・バギンズの機転で脱出しました。

その後、スランドゥイルはスマウグ死亡の報を聞いてはなれ山に向けて出陣し、五軍の合戦で森の王国のエルフは三軍の一員として戦い、犠牲を出しつつも勝利しました。

同年、白の会議の攻撃によって死人占い師はドル・グルドゥアの要塞を捨てて逃亡し、森も健やかな場所に戻ると思われました。

しかし第三紀2951年、彼はモルドールでサウロンとして公然と名乗りを上げ、逃亡は見せかけであったことが明らかとなります。

サウロンはナズグルを派遣してドル・グルドゥアを再占領し、そのため闇の森は依然として忌まわしい場所であり続けました。

 

指輪戦争では、森の王国はドル・グルドゥアから攻撃を受け、火によって森林に大きな被害が出ますが、最後には攻撃を撃退しました(闇の森樹下の合戦)。

指輪戦争が終結するとスランドゥイルは闇の森の真ん中でケレボルンと会見し、闇の森は「緑葉の森(Wood of Greenleaves)」を意味するエリン・ラスガレンと改名されます。

そして闇の森山脈より北はスランドゥイルの領土に、東入地より南は東ロリアンとしてケレボルンの領土に、その間はビヨルン一党と森人の土地として分割されました。

第四紀になると、一部のエルフはレゴラスに率いられてイシリアンへ移住しましたが、大部分の森のエルフはエリン・ラスガレンで落ち着いて暮らしたようです。

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