ロードオブザリング力の指輪 シーズン1、エピソード4解説

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ロードオブザリング

ロードオブザリング力の指輪、シーズン1、エピソード4はヌーメノールが水没するミーリエルの夢から始まります。

これは後ほどのシーンでも出てきますし、史実を知っている人であれば現実に起こることだとわかります。

 

その後のヌーメノールのシーンではエルフを恐れる民衆に対してファラゾーンはエルフなど恐れる必要がないというようなセリフを言います。

ヌーメノール初代の王エルロス・タル=ミンヤトゥルがモルゴスを倒した殊勲者であることも説明されます。

またアルメネロスの都というセリフが出てきますが、これはヌーメノールの王都のことを指しています。

ファラゾーンの息子、ケメンも出てきますが、彼はドラマのオリジナルキャラクター。彼が「メネルタルマ産のワインだ」と言ってエレンディルの娘、エアリエンを口説くシーンが出てきます。

メネルタルマとはヌーメノールの中心にある最高峰の山で、山頂はこの世界の創造主、エル・イルーヴァタールを祀る聖所とされていました。

ヌーメノールがまだ堕落していなかった頃、メネルタルマではイルーヴァタールを祀る祭礼が行われていましたが、堕落していくにつれて聖所への参拝はなおざりにされていき、第14代目の王、タル=アンカリモンの治世以降は祭礼は完全に無くなりました。

 

ガラドリエル、ミーリエル、エレンディルの三者が会話するシーンではガラドリエルが人間とエルフで同盟を組んでサウロンを倒すことを提唱します。

しかしミーリエルが断ったことで、ガラドリエルはミーリエルの父、タル=パランティアに会わせろと要求。これがきっかけで牢に入れられてしまいました。

ミーリエルがガラドリエルのことを「フィナルフィンの娘」と呼んだので、このタイミングでガラドリエルの父、フィナルフィンについても解説しておきましょう。

フィナルフィンはノルドール族の上級王フィンウェの三男でフィンゴルフィンの弟、フェアノールの異母弟。

モルゴスがフィンウェを殺害し、シルマリルを奪って中つ国へ逃亡すると、フェアノールはノルドール族を扇動し、中つ国への帰還を果たそうとしました。

フィナルフィンはこの遠征に乗り気でなく、ノルドール族の説得を試みましたが失敗し、彼と兄のフィンゴルフィンはフェアノールと共に中つ国へ進軍することになります。

しかしその過程で協力を拒んだテレリ族を殺害して船を奪うという、エルフによる最初の同族殺害事件が発生。

フィナルフィンは深い後悔と悲しみの感情に満たされ、そしてヴァラールの忠告を聞かずに中つ国への帰還を目指し、更に同族殺害を犯したノルドールに対し、マンドスが下した宣告(マンドスの呪い)、「シルマリルは手に入らず、汝らは非業の死を遂げるであろう」という言葉を聞いて遂にフィナルフィンは引き返すことを決意しました。

それでもフィナルフィンの五人の子は同族のノルドール族を見捨てることができず、中つ国へ帰還。

そのうち長男のフィンロド、次男のオロドレス、三男のアングロド、四男のアイグノールは全員宝玉戦争で戦死。

唯一末娘のガラドリエルだけが宝玉戦争を生き延びることができました。

後にガラドリエルの娘ケレブリーアンはエルロンドと結婚してアルウェンの母となり、アルウェンがアラゴルン二世と結婚し、息子のエルダリオンが統一された新王国の王位を継ぐことになるため、フィナルフィンの血統はドゥーネダインの王統にまで伝えられることとなるのです。

 

その後ドラマは場面変わってイシルドゥアが船乗りとして落第となるシーンからオークに捕らえられたアロンディルのシーンへ。

アロンディルはオークの長、アダルの元へ連れてこられます。

アダルはアロンディルにエルフ語で話しかけ、オークの長でありながら、アダル自身はオークではないような伏線を張っているようです。

彼らのエルフ語での会話でアロンディルの生まれはベレリアンドで大河の河口であることがわかります。

ベレリアンドとは第一紀以前に存在した、中つ国北西部にあたる地域のことを指しますが、第一紀末のモルゴスとの怒りの戦いで大部分が水没します。

大河の河口とはおそらくシリオン川の河口のことでしょう。ここに築かれたシリオンの港は第一紀末、モルゴスに追い詰められたエルフの最後の拠点になりました。

 

ドワーフとエルフの場面ではケレブリンボールからエルロンドの父、エアレンディルとのかつての会話が語られるところから始まります。

そしてドゥリン王子が何かを隠しているということからエルロンドは再びドゥリン王子の元へ。

隠していたことはミスリルであったことが明らかになります。エピソード1のラストシーンの伏線回収ですね。

 

ここでもエルロンドの口から「我が父航海者エアレンディル」というセリフが。

後のシーンでも「僕の父はヴァリノールへ船を出し、ヴァラールに助力を請うてモルゴスとの戦いを勝利に導いた。その功績を称えてヴァラールは父を天空へ登らせたんだ。今もシルマリルを帯び空を駆けてる。夕暮れに明星を見る度に思った」とエルロンドの口から詳しく語られます。

モルゴスとの宝玉戦争で絶望的な状況にあった自由の民ですが、エアレンディルがヴァラールに助力を請うたことで怒りの戦いで勝利することができました。

ちなみにヴァラールからの援軍は先ほど紹介したガラドリエルの父、フィナルフィンも参戦しています。

そしてエアレンディル自身もヴィンギロドという空飛ぶ船に乗って参戦し、モルゴス軍最後の切り札であった史上最強の黒龍アンカラゴンを打ち倒し、勝利を決定付けました。

まさに中つ国の長い歴史の中でも屈指の大英雄です。

 

エアレンディルはその後、シルマリルを掲げながら天空を航行することにより、中つ国のエルフや人間への希望の星として空に輝くようになりました。

中つ国では、ヴィンギロトが虚空に向かうときと虚空から帰ってくるとき、つまり明け方と宵の時間に空に見ることができます。

我々の世界で「明けの明星」「宵の明星」として知られているのが、エアレンディルの星なのです。

さらにその星の光(=シルマリルの光)をガラドリエルが集めたものが後にフロド・バギンズに贈り物として与えられます(ガラドリエルの玻璃瓶)。

この玻璃瓶は指輪戦争においてフロドやサムが暗闇の中でシェロブを撃退する時に使われました。

なおハッブル宇宙望遠鏡による観測で2022年に確認された、地球から129億光年先にあり、観測時点で最古にして最遠の恒星が、彼にちなみエアレンデルと名付けられています。

参考リンク:史上最も遠い星を観測、129億光年先、桁違いの「エアレンデル」

 

牢を出たガラドリエルが向かったのは塔に幽閉されていたタル=パランティア。そしてそこにいたミーリエルと会話。

さらにパランティアでヌーメノールが水没する未来を見ることに。

ちなみにパランティアの製作者はフェアノール。

ガラドリエルの「昔触れたことがあります」というのは実際にフェアノールから見せて貰ったのでしょう(原作にそういう記述はありませんが)

ミーリエルは「かつては7個あったが6個は壊れるか隠されて失せた」と言っていますが、原作ではエレンディルによって7個の石は中つ国へ持ち込まれることとなります。

原作との整合性を取るなら残りの6個はエレンディルが隠し持っているということにするのかもしれません。

 

そしてドゥリン王子はリンドンへ行くことになり、南方国はサウロンに従うような描写、ヌーメノールもミーリエルが挙兵を宣言。

いよいよ中つ国の自由の民とサウロンとの戦争が始まりそうな描写でエピソード4は終わります。

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