ロードオブザリング力の指輪、シーズン1、エピソード8の解説です。
謎の老人の前に現れたのはサウロンの手下。しかし彼らの種族などは明らかになりませんでした。
手下からはリューンの地という言葉が出てきましたが、リューンは中つ国の東方を大まかに指す言葉で、特にリューンの湖と灰色山脈の東側を指します。
第二紀では第一紀末の怒りの戦いを逃れた邪悪な東夷が東方に帰還してきて、勢力を広げ、モルゴスの虚言を用いて王になる者もいました。
後にサウロンが活動を再開すると東夷はその影響下に入り、モルドールの属国となります。それを示唆するドラマのセリフと言えるでしょう。
ナズグルで第二位の地位にあったハムールもかつては東夷だったと言われており、このあとシーズン2以降で東夷の王のハムールがナズグルになるシーンなども描かれるかもしれません。
ちなみにこの世界では至福の国アマンが西にあることから西=善、東=悪という世界観となっています。
しかし謎の老人はサウロンではなくイスタリであることが明らかになりました。
イスタリは西方から中つ国に派遣されたマイアであり、自由の民がサウロンの脅威に抗うことを援助する任務を与えられた者達です。
しかし直接力でもってサウロンに対抗することも、中つ国の民を支配することも禁じられ、あくまで助言者で援助者という立場からサウロンと戦うことが要求されました。
そのため老人の姿形と肉体が与えられ、本来の叡智と力は曇り、飢えや恐れなどの肉体的脅威に晒され、容易に堕落することも死ぬこともありえた危険な任務でした。
ハルブランドはケレブリンボールと一緒に指輪を作り始めましたがなんとハルブランドがサウロンであることが判明!
「アウレの弟子。数多くの名がある」と言っていましたが、アウレはエピソード5の解説で書きました。
全ての陸地と物質を作りドワーフを生み出した偉大な工人アウレ。かつてサウロンはアウレに仕えるマイアールでした。
しかしメルコール(後のモルゴス)に誘惑されて堕落し、「モルゴスの大いなる副官」、「残酷なるゴルサウア」などと呼ばれ、恐れられました。
ちなみに原作ではサウロンは美しく立派な外見を装いケレブリンボールを筆頭とする金銀細工師達に取り入ることに成功し、彼らに様々な知識を与え、力の指輪を鍛えることに手を貸しました。
ドラマでここに至る過程はオリジナルエピソードでしたが、結果はほぼ原作通りに進んでいます。
ちなみに我に返ったガラドリエルとエルロンドの会話でガラドリエルが初めて出会った時の質問をして、エルロンドは「海辺だ。親を亡くして寂しかった。友達も身寄りも無い孤独な少年」と述べていました。
エルロンドの両親はかつて解説した通りエアレンディルとエルウィング。
エアレンディルはエルロンドが幼い時にアマンへ航海に出ており、その留守中にエルロンドのいたシリオンの港が襲撃されるという事件が起きています。
襲撃してきたのはシルマリルを取り戻そうとしたフェアノールの息子達。母エルウィングはシルマリルを抱いたまま海に身を投げて行方不明になりました。
エルロンドとエルロスの兄弟は捕虜になりましたが、自らの行為を悔い兄弟を憐れに思ったフェアノールの次男、マグロールに養育されることとなりました。
そしてノーリはイスタリと旅に出ます。このイスタリは誰なのか。
「迷った時は鼻をきかせることだ」というセリフは如何にもガンダルフなので、ガンダルフでほぼ確定なんじゃないかという気がしますが、向かう先はリューンということであれば青の魔法使いのどちらかという可能性もまだ残っています。
ラストの指輪を作るシーンではミスリルを落とした瞬間に明らかにサウロンの目を思わせるようなシーンになりました。これは指輪制作にサウロンの意思が関わっているというオマージュなのでしょう。
こうしてエルフの持つ3つの指輪。水の指輪ネンヤ、風の指輪ヴィルヤ、火の指輪ナルヤが完成。
「ロードオブザリング力の指輪」というタイトルがようやく形になりシーズン1が終了。
そしてエンディングでは映画の冒頭のガラドリエルのセリフを歌に乗せて流す。見事な繋ぎでした。シーズン2も俄然楽しみになってきましたね。
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