2944年 バルドは谷間の国を再建して王となった。さらに財宝の一部を使って、エスガロスの再建を援助した。
またバルドはダインから返還されたギリオンのエメラルドをエルフ王に贈るとともに、ダインの下で再興された山の下の王国とも友好関係を結んだ。
2944年 一度は外界とオークへの恐怖からビルボ・バギンズの追跡をあきらめたゴクリだが、指輪から切り離されたことで幾分気力を回復したのと、それでも断ち切ることのできない執念から、棲家である洞窟を捨てて「どろぼう」の追跡をはじめる。
2949年 ガンダルフとバーリンがホビット庄のビルボを訪問する。
2950年 ドル・アムロス(ゴンドールの辺境の諸侯国の一つで)のアドラヒルの娘、フィンドゥイラス生まれる。
後にデネソール二世の妻となり、ボロミア、ファラミアの母となる。
2951年 サウロンは公然と名乗りを上げるとモルドールでバラド=ドゥーアの再建を開始した。
サウロンの二度目の勃興によって、オークは山中で数を増やし、トロルは武装して悪賢くなった。東方では東夷の諸族が、南方ではハラドリムの諸侯が再びサウロンに臣従を誓った。
ウンバールの海賊は、モルドールと公然と同盟し、アル=ファラゾーンのサウロンに対する勝利の記念碑を破壊した。
こうして昔日彼に仕えていた邪悪なものたちが再びモルドールの名の下に集結するようになり、中つ国には再び影が広がっていった。
さらにサウロンはナズグールのうち三人を遣わしてドル・グルドゥアを再占領する。このため闇の森は依然として忌まわしい場所であり続けた。
ゴクリはビルボの跡をたどってエスガロスや谷間の国まで来て、ビルボが「ホビット庄」(Shire)なるところにいることを突き止めた。
しかしまっすぐそこには向かわず、おそらく指輪から受けた影響のためにモルドールへ引き寄せられた。
この年に、アラゴルン二世は成人を迎える。アラゴルンはエルロンドより自らの出生の秘密を明かされ、折れたナルシルとバラヒアの指輪を渡される。
その直後アルウェンに出会ったアラゴルンは彼女をティヌーヴィエルと呼んで、恋に落ちる。
だがエルロンドは彼の目からそのことを読み取り、アラゴルンが試練を経て、しかるべき時が来るまでは、何人とも婚約することを禁じた。
そのため彼は諸国遍歴の旅に出る。
2953年 白の会議が開かれて力の指輪のことが検討されたが、サルマンは一つの指輪はアンドゥインから大海に流れ下って失われたという主張を繰り返した。
サルマンの堕落のため、この年の会合が最後となった。
サルマンはアイゼンガルドに引きこもり、アイゼンガルドの要塞化を推し進め、人間やオーク(ウルク=ハイ)からなる軍事力の構築に腐心するようになる(そのためにファンゴルンの森の木々を伐採し、エントの怒りを買うことになった)
またガンダルフを妬み恐れたサルマンは、ガンダルフがホビットとホビット庄に多大なる関心を示していることを間者の情報によって知ると、ブリー郷とホビット庄への浸透を始め、手先のごろつき達を送り込むようになった。
ローハンではセンゲルが16代目の王になった。父フィンゲルとは折り合いが良くなく、成人するとゴンドールへ移住して当時の執政トゥアゴンに仕えていた。
だが父が死ぬと祖国に呼び戻され、意に反して王位を継ぐことを余儀なくされた。
センゲルは優秀な王となったが、彼の育ちのために王宮内でゴンドールの言葉が用いられたことを好ましく思わない者もいた。
ゴンドールでもエクセリオン二世が25代目の執政になる。
モルドールの襲撃に備えて国の防備を強化し、出自を問わず様々な人物を登用して、優秀な人材であれば重用したため、叡智の人と呼ばれた。
2954年 滅びの山がふたたび噴火する。イシリアンに残っていた最後の住民もアンドゥインの西側へ避難した。
2956年 アラゴルンがガンダルフと出会って友人となり、しばしば彼の旅に同行した。
2957年 アラゴルンは素性を隠し、各地でサウロンの手先と戦うようになる。エルロンドの会議での彼の発言によると、「星々の光さえこことは異なるリューンやハラドの遠い国々」にまで足を伸ばしたという。
ローハンの王センゲル(セオデンの父)やゴンドールの執政エクセリオン二世(デネソール二世の父)にも仕える。その時アラゴルンはマントに銀の星を付けていたため、「星の鷲」の意であるソロンギルと呼ばれた。
ソロンギルは特にゴンドールにおいて功名を勝ち得た。わけても海賊の脅威を懸念した彼は、小艦隊を率いてウンバールを奇襲。
わずかな被害と引き換えに敵の船の大半を燃やし、自らも波止場の戦いで港の大将を倒す大戦果を挙げた。
これにより後の世のゴンドール南部沿岸地方の脅威は大幅に軽減された。
しかしソロンギルはこの勝利からゴンドールへ凱旋することはせず、そのままひとり姿を消した。
当時のゴンドール人はこれを重大な損失と見なし、彼の競争相手すなわちデネソールが主君(執政)となる前に自ら去ったのだと考える者もいたが、真実はそうではなかった(一方のデネソールはソロンギルの正体に勘付いており、自らの地位を脅かす者として警戒していたという)
ゴンドールを去ったアラゴルンはエフェル・ドゥーアス(影の山脈)へ向かったようである。