強大な力を持ったヴァリノールの猟犬。何者もその視覚と嗅覚から逃れることはできず、いかなる魔術も彼を止めるには役に立たない。
高い知能と高潔な心の持ち主でもあり、あらゆる生類の言葉を理解することができたが、彼自身は生涯で三度のみ口を利くことが許されていた。
元々はオロメの猟犬であったが、ヴァリノールでオロメの友であったケレゴルムに与えられる。
ケレゴルムに付き従って至福の国から中つ国に渡ったことで、フアンもノルドールに課された滅びの運命に繋ぎ止められることになったが、同時に“天が下にかつて存在したこともない強大な狼と戦うまでは死なない”という運命を下された。
捉えられたベレンを救出するために、フアンはルーシエンを背に乗せてトル=イン=ガウアホスに赴き、島に巣食っていたドラウグルインをはじめとする巨狼を次々と仕留める。
そこでサウロンはフアンに課せられた運命を思い出し、自ら史上最大の狼に姿を変えることでフアンを倒そうとした。
サウロンの力は強大であったが、ルーシエンの眠りの魔術とフアンの力のために、ついにサウロンはねじ伏せられて敗退した。
ベレンの片手ごとシルマリルを飲み込んだカルハロスがドリアスに侵入すると、シンゴルの結成した狼狩りの一行にフアンも加わる。
エスガルドゥインの滝の傍らにおいて、ついにフアンとカルハロスの戦いが行われ、運命に定められていた通り、フアンはこの史上最強の狼と相討ちになって果てた。
ドラウグルインと激闘を繰り広げた後に、運命に守られていたとはいえサウロンを撃退するほどの強さ。そして史上最強の狼であるカルハロスと相討ちになる強さはこの順位にふさわしいと思われる。
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