933年 ゴンドール13代目の王で、2代目の船艦王のエアルニル一世はペラルギアの古い港を修復して大海軍を築き上げ、ウンバールを陸と海から包囲攻撃して陥落させた。
936年 エアルニル一世がウンバール沖での大嵐により、配下の大勢の船もろとも遭難して行方不明となった。
1000年 この頃、魔法使い(イスタリ)が中つ国に来た。
イスタリは、サウロンに対抗して中つ国の窮状を救うべくヴァラールによって選ばれ、アマンの地から中つ国へと送られたマイアールだった。
イスタリの総数は不明だが、この時に中つ国の北東に現れたのは五人である。
ヴァラールはサウロンの打倒は自由の民によってなされるべきだと考え、マイアであるサウロンよりも弱いマイアールを選び、かれらが中つ国の民に対しアイヌアの力を誇示し、支配することを禁じた。
そのためかれらは「助言」によって自由の民によるサウロンの打倒を実現しなければならず、あからさまな「魔法」を使うことはめったにない。
やむを得ず力を行使する際は、西方の使者としての地位を示す杖を用いる。
イスタリは人間の老人の姿をしている。中つ国に現れたときからすでに若くは見えなかったが、その後の老化はゆっくりとしたものだったという。
これはあくまで助言者で援助者という立場から中つ国の守護者になることが要求されたからである。かれらは老人の肉体をまとうことで人間同様の悩みや苦しみ、死への恐怖を持った。
アマンの記憶は曖昧になり、本来持っていた力と知恵は曇り、飢えや恐れなどの肉体的な危険に脅かされ、容易に堕落することも死ぬこともありえた。
かれらの任務は非常に困難なものであり、五人中四人が任務を放棄したことからもそれが分かる。結果的に、サウロン打倒の任務を完遂して帰還したのは灰色のガンダルフただ一人であった。
ガンダルフは中つ国で彼を出迎えたキーアダンから密かに火の指輪ナルヤを譲り受けて、第三紀を通じてその守護者となった。
1015年 ウンバールを追われた諸侯が率いるハラドリムによってウンバールが包囲される。
ゴンドール14代目の王で、3代目の船艦王のキアヤンディルが討ち死にするが、ウンバール自体はゴンドール海軍の存在により、陥落することはなかった。
ハラドリムはゴンドールと一時期通商関係があったこともあり、ゴンドールのウンバール領有を認めていたが、やがてサウロンに影響されたハラドリムはゴンドールと長年戦闘を繰り返すようになる。
1050年 ゴンドール15代目の王で、ファラストゥアから4代続いた最後の船艦王であるヒャルメンダキル一世は兵力を蓄え、時が至るとハルネン川を渡河し、南方へ進軍した。
海陸両面からの攻撃によって、ハラドリムに大勝し、ハラドの王たちにゴンドールの主権を認めさせた。
彼の治世にゴンドールの国力は絶頂に達し、何者も彼の支配に抵抗しようとはしなかった。
アンドゥインの谷間の人間たちはゴンドールの主権を認め、ハラドの王たちは忠誠を誓って息子をゴンドールの王宮に人質として送った。
この頃、緑森を影が覆うようになって、人々はこれを闇の森と呼ぶようになった。
また、闇の森の影を恐れてホビットの種族の一つであるハーフット族がエリアドールに移住する。ホビットの名が初めて記録中に現われたのがこの時期である。
1100年 この頃、賢人たち(即ちイスタリとエルダールの長)は悪しき力がドル・グルドゥアに拠点を設けたことを発見する。これはナズグールの一人とみられる。
1149年 アタナタール・アルカリンがゴンドール16代目の王になる。クウェンヤのアルカリン、すなわち栄誉王の名でも呼ばれる。
非常に豪奢な生活を送ったため、「ゴンドールでは宝石も子供たちのおはじき石」と言われた。彼の代にゴンドールの王冠は宝石をちりばめたものに取り換えられた。
彼の治世は父王ヒャルメンダキルが築いたゴンドールの絶頂期にあたったが、アタナタールは安楽な生き方を好み、受け継いだ王国を維持する努力を怠ったため、後の衰退の元となった。
1150年 この頃、ホビットのファロハイド族がエリアドールに入る。ストゥア族は赤角山道を越え、三角地あるいは褐色人の国に移動する。
1200年 この頃、北方の自由の民であるロヴァニオンの騎馬民族は「ロヴァニオンの王」を自称するようになった。
かれらはゴンドールの同盟者として、東夷の侵入を阻む防壁の役割を果たしていたが、常にゴンドールに対して誠実であったわけではなく、中には略奪や諸侯間の争いのために東夷と結ぶ者達もいた。
後にロヴァニオンの末裔のエオルがローハンを建国することになる。
1226年 ナルマキル一世がゴンドール17代目の王になる。彼は父のアタナタール二世に似て安楽な生き方を好んだ。
1240年 ナルマキル一世は煩わしいことから逃れるため、弟カルマキルの息子のミナルカール(後のローメンダキル二世)を摂政に任命し、以降は彼に国を治めさせた。
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