ローハンの9代目の王。その剛力と不屈さで、歴代の王の中でも有名な人物で、槌手王として知られる。ヘルム峡谷と角笛城の名は、彼にちなむ。
東夷と海賊に侵略された時、息子達を失った哀しみと、冬の飢えのために自暴自棄になったヘルムは、痩せさらばえた身体に白装束を纏うと、大きな角笛を一吹きしては単身で砦から出撃し、敵の野営地に乗り込んでいって素手で多くの人間を殺した。
褐色人の噂では、ヘルムは食料が見つからなければ人間を食べたといわれ、このことは褐色人の国で長く語り伝えられた。
このため大角笛の音がこだまする度に敵は恐れて奥谷を下って逃げ去った。
ようやく冬の終わりが近づいたある日の夜、ヘルムは角笛を吹いて出撃したが砦に戻らず、朝になって堤防の上に立ったまま死んでいる姿で発見された。
だがその後もヘルム峡谷では大角笛の音が時折こだまし、ヘルムの亡霊が現れてマークの敵を恐怖で殺すと言い伝えられた。
なんとも野性味溢れる王であり、映像化は一切されていないにも関わらず、強さが伝わってくる王であろうか。
二つの塔で激戦の舞台となったヘルム峡谷。
映画しか観ていない方もその地名の由来となったヘルムの伝説的な強さを是非知って頂きたい。
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