フェアノールの次男。優れた歌い手にして詩人であり、哀歌「ノルドランテ」の作者。
声の美しさや音楽に関してノルドールはシンダールに劣っていたが彼は例外であり、ドリアスの伶人ダイロンに次ぐ歌い手であった。
中つ国で彼はマグロールの山間と呼ばれるようになる、ゲリオン川の北方の二つの上流に挟まれた地域を守備した。
だがダゴール・ブラゴルラハでグラウルングに突破され、ヒムリング山のマイズロスの許に逃れる。
ニアナイス・アルノイディアドでは、裏切り者の東夷ウルドールを討ち取ったが、結局この戦いは敗北に終わる。
やがてマグロールは、シルマリルを強奪するため兄弟と共にドリアス及びシリオンの港を襲撃して同族殺害を重ね、長兄マイズロスと共に兄弟で唯一の生存者となる。
マグロールは誓言の重荷に倦み疲れており、自らの襲撃によって母エルウィングを失ったエルロンドとエルロスの兄弟を不憫に思って養育した。
両者の間には、ほとんど考えられないことでありながら、愛情が育っていったという。
怒りの戦いの後、残り二つのシルマリルがヴァラールの管理の下に置かれると、マグロールはヴァリノールでヴァラールの判決を受けよというエオンウェの命に従うことを望んだ。
しかしあくまで誓言の呪縛を主張するマイズロスに説得され、二人で衛士を殺してシルマリルを奪い取った。
シルマリルは二人をもはや正当な所有者とは認めず、身を焼かれたマグロールは苦しみに耐えかねてそれを大海に投じる。
以後、波打ち際で苦しみと悔恨の歌を歌い続け、二度とエルフ達の間には戻らなかったという。
他のフェアノールの息子達と同様に悲しい末路を迎えたが、強さという意味ではウルドールを討ち取るなど兄弟の中でも特に武勇を多く残している。
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