ヌーメノール25代目にして最後の王。彼の治世にヌーメノールの国威と堕落は絶頂に達し、黄金王の名で知られる。
第二紀にサウロンが一つの指輪を完成させ、中つ国の王を名乗ると、アルファラゾーンはサウロンを撃破し自分こそが人間の王であることを証明するため、大軍を指揮してウンバールに上陸した。
このときウンバールの港を埋め尽くしたアル=ファラゾーンの大艦隊は、あまりの強大さに、サウロンは武力で抗う望みがないことを悟り、戦わずして降伏した。
しかし捕虜としてヌーメノールに連れていかれたサウロンは堕落したヌーメノール人の心と死を恐れる気持ちに付け込み、影響力を行使するようになる。
アルファラゾーンはサウロンの甘言に煽られ、ヴァラールから不死を奪い取ろうとアマンへ進軍していくことになる。
ヌーメノールの西の海上を真っ黒に埋め尽くしたその大艦隊は、かつて世界に比を見ないほど強大なものであったという。
上陸したアル=ファラゾーンとヌーメノールの軍勢は、エルフ達が逃げ去ったあとのトゥーナ山の周囲で野営した。
だがその時、ヴァラールはアルダの統治権を一時放棄してイルーヴァタールの采配を仰ぎ、イルーヴァタールは世界そのものを作り変えた。
結果、ヌーメノールの島は覆って海中に沈み、大艦隊もその淵に引き寄せられ、飲み込まれて消滅した。
アル=ファラゾーンと軍勢は崩れる山々の下敷きとなって埋まってしまったが、彼らはその忘却の洞窟の中で、世界が終わる日まで閉じ込められていると言われている。
こうしてアル=ファラゾーンは滅びたが、神をも恐れぬ彼の無敵艦隊の伝説は後の世まで記憶された。
ヌーメノール人は強靭な肉体や優れた技能を持っており、アラゴルンの先祖にもあたる。
つまりこの無敵艦隊はアラゴルンクラスの兵士が数十万から数百万人いた軍勢であっただろうと推測され、サウロンが戦わずして降伏するのも頷ける。
そしてこれだけの軍勢をまとめあげた黄金王アルファラゾーン自身の強さも推して然るべきだろう。
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