フィンウェの次男でフィナルフィンの兄。フェアノールの異母弟。フィンゴン、トゥアゴン、アレゼルの父。リンギルの使い手。ノルドールの中で、不動の心と剛勇において最も優れていたと言われる。
二つの木がメルコールとウンゴリアントに枯らされ、フォルメノスでフィンウェが殺されてシルマリルが奪われた後、父を殺された復讐とシルマリル奪還を誓ったフェアノールに半ば強引に連れられて、フィンゴルフィンもアマンから出発した。
その道中フェアノールに裏切られ、船を焼かれてアラマンに置き去りにされながらも、ノルドールの大部分を率いてヘルカラクセの海峡を横断し、中つ国への過酷な旅を果たした。
フィンゴルフィンの中つ国到着以前に、ダゴール=ヌイン=ギリアスでフェアノールは戦死していた。
太陽の出現に動揺したモルゴスの手下がアングバンドの地下に隠れ潜んでいる間に、フィンゴルフィンは自らの軍勢を率いてアングバンドの城門の前まで進軍し、モルゴスに挑戦を呼びかけた。
だが彼はモルゴスの策略に嵌ることはなく、すぐに兵を退いた。
その後フィンゴルフィンの長男フィンゴンに救出されてサンゴロドリムから生還したマイズロスが、アラマンでの裏切りの謝罪としてノルドールの王権をフィンゴルフィンに譲渡したため、フィンゴルフィンが中つ国におけるノルドールの上級王となった。
フィンゴルフィンはヒスルムを領国として、エイセル・シリオンの砦から仇敵モルゴスと対した。
ダゴール・アグラレブの後はアングバンドを約400年の間包囲し、エダインがベレリアンドに来住した時には全ノルドール族の王として彼らに歓迎の使者を送った。
しかしダゴール・ブラゴルラハによりアングバンドの包囲は破られ、ベレリアンドは焼き尽くされた。これに怒ったフィンゴルフィンは乗馬ロハルロールに跨って単身アングバンドの城門へ向かい、モルゴスを臆病者と罵って一騎討ちを挑んだ。
挑戦に応え、グロンドを手に現れたモルゴスに対し、フィンゴルフィンは自らの剣リンギルで七つの傷を負わせるが、躓いて仰向けに倒れたところをモルゴスに踏みつけられ、最後の一撃で自分の首を踏みつけているモルゴスの左足に深手を負わせて討ち死にした。
アングバンドの城門での果たし合いをエルフたちはその悲しみの深さから歌にすることはせず、オークたちも誇りにはしなかったという。
イルヴァタールの子の中で唯一モルゴスと直接対決をした人物。敗れたとはいえ元ヴァラールのモルゴスに深手を負わせるというのは常識外れの強さであり、剛勇と呼ぶにふさわしい。
このフィンゴルフィンとの闘いで傷を負ったモルゴスはこれまで以上に戦いの場に姿を現すことを避けるようになったという。
純粋な戦闘の強さではノルドール族で最も才能があった天才、兄フェアノールをも凌ぐと思われる。エルフ族最強候補の一人である。
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