第三紀 大いなる年、裂け谷出発まで -ロードオブザリング全史-

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ロードオブザリング
映画ロードオブザリングより引用

3018年4月12日 ガンダルフは袋小路屋敷にフロドを再訪し、彼の指輪を火中に投じてその表面に暗黒語の銘が浮かび上がることを確認、それがまぎれもないサウロンの一つの指輪に他ならないことを明らかにした。

指輪がもたらす脅威からホビット庄を守るため、フロドは単身故郷を後にすることを決意した。

ガンダルフはその従者としてサムを選び、隠密に裂け谷へ向かうよう忠告する。

フロドは袋小路屋敷をロベリア・サックビル=バギンズに売却して堀窪へ引っ越す手筈を整え、そこから秘密裏に裂け谷へ避難する計画を立てる。

だが情報収集に出かけたガンダルフが戻らなかったため、その旅立ちは大幅に遅れてしまうことになった。

 

3018年6月20日 サウロンはオスギリアスと闇の森の王国を同時攻撃し、その混乱に紛れてナズグールを一つの指輪追跡のため送り出した。これが指輪戦争の始まりと見なされている。

モルドールより送り出された大軍によってイシリアンおよびオスギリアスに駐屯していた部隊はほとんど一掃されてしまう。

部隊を指揮していたボロミアとファラミアは、かろうじてアンドゥインにかかっていた最後の橋を落とし、西岸までが敵の手に落ちるのは防いだものの、東岸はモルドールに奪われる。

その後、ファラミアはイシリアンに唯一残ったヘンネス・アンヌーンなどを拠点に、モルドールとその同盟軍への攻撃を続けた(イシリアンの野伏)

闇の森の王国はドル・グルドゥアから攻撃を受け、撃退はしたものの混乱に乗じてゴクリは逃亡してしまった。

ゴクリを逃した申し開きを兼ねて息子のレゴラスを裂け谷へ派遣した。

 

3018年7月4日 ボロミアがミナス・ティリスを出発する。

オスギリアスでの戦い以降、ファラミアは何度も謎のお告げが語られる夢を見るようになり、ボロミアも一度は同じ夢を見た。

二人はこの夢の言葉の意味をほとんど理解できなかったが、デネソールはお告げにある「裂け谷」とは賢者エルロンドが住む北方の隠れ里の古称であることを教える。

するとお告げの謎を解くため、ファラミアが裂け谷を捜す旅に出ようとしたが、その旅路が不確かで危険に満ちているとしてボロミアがこの旅を買って出た。

デネソールはこれに反対したものの、ボロミアは自分の意思を押し通し、裂け谷を求めてゴンドールを出発した。

 

3018年7月10日 ガンダルフがオルサンクに監禁される。

ガンダルフはフロドに同行するつもりで袋小路屋敷に滞在していたが、サウロンのオスギリアス攻撃の報が届いたことで大きな不安に満たされる。

情報を集めるためブリー村まで足を伸ばしたガンダルフは、そこで茶色のラダガストに出会い、彼からナズグールが出現したことを聞かされた。

不安が的中したガンダルフは、フロドに直ちに出発するよう警告する手紙をブリー村のバーリマン・バタバーに預けると、自らは助力を申し出た白のサルマンに応じるため急遽アイゼンガルドへ向かった。

だがこれはサルマンの罠であり、サルマンは一つの指輪を我が物とするためにガンダルフをアイゼンガルドへおびき寄せたのであった。

中つ国の覇権を狙うサルマンに与することを拒絶したガンダルフは、サルマンによってオルサンクの塔の頂上に監禁されてしまう。

 

3018年8月頃 エルフとオーク両方に追われたゴクリはモリアへ逃げ込んだ。

だが道に迷い、かろうじて西門を発見するがそこから出ることができず、飢え死に寸前の状態でモリアに閉じ込められてしまった。

 

3018年9月18日 ガンダルフがラダガストより派遣されたグワイヒアにより救出され、オルサンクから脱出する。

これによりサルマンの白の会議への裏切りが露呈することになった。

 

3018年9月19日 ガンダルフが物乞いとしてエドラスに来るが、入門を拒絶される。

 

3018年9月20日 ガンダルフがようやくエドラスに入る。セオデンはグリマの讒言もあってガンダルフを疎み、彼を追い払うために不本意ながら飛蔭を貸し与えた。

飛蔭はローハンのメアラス族の長。灰色の毛並みをした大きな馬で、通常の馬より遙かに足が速く、また持久力もずば抜けていた。

飛蔭はもともとローハン王しか背に乗ることを許さない駿馬であったが、セオデンは「どの馬なりとくれてやるから消え失せろ」と口走ってしまい、ガンダルフに貸し与えられることになった。

 

3018年9月22日 当初飛蔭はガンダルフを寄せ付けなかったが、ガンダルフは2日かけて飛蔭を馴らしてその背に乗り、黒の乗手に追われているフロドを助けるべくローハンからブリー村へ、さらに裂け谷まで駆け抜けた。

その後飛蔭は単独でエドラスへ戻ったが、すでにガンダルフしか背に乗せないようになっていた。

この日の夕刻、サルンの浅瀬に到達したナズグールは、日没とともにそこを防衛していた野伏を蹴散らして浅瀬を突破。

魔王は可能な限り密やかに行動しつつ野伏の追撃、「バギンズ」の捜索、東街道の見張りなどを行うため分散行動を命じ、魔王自身はブリー村の南に潜んで塚人をはじめとした一帯の悪霊を呼び起こすなどの工作を行った。

 

3018年9月23日 フロドようやくホビット村から旅立ったが、すでに指輪を狙う黒の乗手(ナズグール)の魔の手が迫っていた。

ナズグルのうち4人がホビット庄へ到達し、その日の内にナズグルの副首領ハムールがホビット村にてハムファスト・ギャムジーと会話し、フロド・バギンズが堀窪へ引っ越したことを聞き出した。

残る五人は、野伏を追って東に行き、後戻って緑道を見張る。黒の乗手一人は黄昏時にホビット村を訪ねた。

なんとか堀窪に到着したフロドは、そこで親しい友人達が指輪の存在とフロドの目的を知っていることが明らかになり、仰天する。

友人たちサムワイズ・ギャムジー、メリアドク・ブランディバック、ペレグリン・トゥックが、あくまで危険な旅に同行する決意であることを知ったフロドは、結局彼らの同行を認めることになった。

 

3018年9月25日 ナズグルの副首領ハムールは切株村にいたる道でフロドたちを追跡した。

放浪の上のエルフ、フィンロド王家のギルドール・イングロリオンは追われていたフロドたちを森の宿りに招待して一夜を共に過ごし、彼らに安らぎと助言を与えた。

フロドは彼のことを知らなかったのだが、ギルドールは以前からビルボ・バギンズと交友があったため、ビルボの養子であるフロドの顔も名前も知っていた。

ギルドールの一行の出現もあり、ハムールはバックル村の渡しでフロドたちを取り逃がした。

 

3018年9月26日 古森で柳じじいに襲われたフロド・バギンズたちはトム・ボンバディルに助けられる。

トム・ボンバディルは枝垂川の滝の辺に建つ自分の家に2日の間滞在させて彼らを保護した。その間フロドたちは古森一帯や北方王国についての様々な物語を聞いた。

トム・ボンバディルは古森に住む、不思議な力を秘めた存在。

一つの指輪さえも、ボンバディルを支配する力を持たず、一つの指輪の影響を受けない。しかしボンバディルもまた一つの指輪に影響を与えることはできないという。

ボンバディルは非常に奇妙な存在であり、彼が何者かについてはトールキンもあまり資料を残しておらず、その正体について明言を避けている。

 

3018年9月28日 ボンバディルは、また危機に見舞われることがあれば自分に呼びかけるように言うと、フロドたちを送り出した。

ホビットたちはその後塚人(塚山丘陵の古墳に巣くう亡霊)に捕われた。塚人は眠りと霧によってホビット達を惑わして塚山におびき寄せ、石室に横たえて呪いの歌を歌いかけて息の根を止めようとした。

しかし間一髪で勇気を取り戻したフロドに反撃され、最後には助けにやってきたトム・ボンバディルの歌によって塚から追い払われた。

この時ボンバディルは塚山の財宝の中から塚山出土の剣を選び出してフロドたちに渡し、自分は青い石のはまったブローチを取った。

それから東街道に出るまでフロドたちを見送り、ブリー村では躍る小馬亭に泊まるように勧めて、そこで別れた。

 

3018年9月29日 フロドたちはブリー村に到着し、アラゴルンに出会う。この時、フロドたちにはバーリマン・バタバー(躍る小馬亭の亭主)より馳夫の名で紹介された。

フロドが馳夫と話をしているとき、ピピンがホビット庄の話題を持ち出して客達の間で持ち上げられて気をよくしていた。

そこでフロドが皆の気をそらすため、テーブルの上に乗って歌を歌い始めた。

当初その試みは成功したかのように見えたが、誤ってフロドがテーブルから転げ落ちてしまったとき、“偶然”フロドの指に指輪がはまり、一瞬フロドの姿が透明になって、大騒ぎになってしまった。

 

フロドに話があるという馳夫は、宿のフロド達の部屋にやって来た。

そして黒の乗手や、ブリー村にいるスパイを警戒するように言い、自分ならフロド達を裂け谷に案内することができるという。

そんな話をしているときに、宿の主人であるバーリマン・バタバーがやってきて、ガンダルフが“山の下”という偽名を使うことになっているホビットにあてて書いた手紙を持ってきた。

実はこの手紙は、ガンダルフが姿を消す直前にフロドに宛てて書いたものだが、バタバーが出すのを忘れてしまっていたのである。

その手紙には、悪い知らせが入ったため計画を早めて旅立つこと、馳夫は信頼できる人物であること、馳夫の本名はアラゴルンであることなどが書いてあった。

フロドは馳夫ことアラゴルンを信用し、翌朝彼と出発することにする。

 

3018年9月30日 ナズグルは躍る小馬亭を襲撃したが、ホビット達が用心して部屋を変えていたため襲撃は空振りに終わった。

フロド達はブリー村を去る。夜、ガンダルフもブリー村に到着するが、フロド達は出発した後だった。

 

3018年10月3日 ガンダルフが風見が丘山頂にてナズグルに襲撃される。夜が明けてガンダルフが東へ逃れると、4人がその後を追った。

同じ夜、近くまで来ていたアラゴルンとフロドは丘の方面の空を稲妻のような光が走るのを見ており、実際に頂上に来て一帯が焼け焦げているのを発見した。

これはガンダルフがナズグールと戦うために呼び出した火によるものであった。

アラゴルンはナズグルが丘と街道を見張っている危険を承知していたため、街道を外れてぶよ水の沢地を突っ切り、風見丘陵の麓を走る道を使って北側から目立たないように丘を登るルートを取った。

 

3018年10月6日 サムとピピンは丘の西斜面にある窪地で野営の準備をしていて、既に何者かの野営の跡があるのを見つける。

一方、アラゴルンとフロドとメリーは丘の頂上に赴いて、ガンダルフが残していった印を発見した。

だがそのために、丘を見張っていたナズグールに察知されてしまい、一行は窪地で5人のナズグールに襲撃される。

フロドは恐怖のあまり一つの指輪を指にはめたために幽界に身を晒してしまい、魔王にモルグルの刃で刺されてしまった。

フロドがエルベレスの御名を唱えて抵抗したために心臓を刺されることは免れたが、刃の破片はその体内に残り、その呪魔によってフロドは幽界に引き寄せられていった。

危険な状態に陥ったフロドを救うため、アラゴルンはアセラスを用いてその治療を試みつつ、一行はエルロンドの癒やしの技に救いを求めて裂け谷へ急ぐことになる。

 

3018年10月9日 グロールフィンデルがナズグルに追われているフロド・バギンズ達を救援するために裂け谷から派遣される。

 

3018年10月11日 グロールフィンデルは果野橋を監視していたナズグールを追い払い、そこに安全の印として緑柱石を残した。

 

3018年10月13日 グロールフィンデルのおかげで、フロドとアラゴルン達は無事に橋を渡ることに成功した。

 

3018年10月18日 フロド達がグロールフィンデルと出会う。グロールフィンデルでもフロドの負ったモルグルの刃の傷を癒やすことはできなかったが、可能な限りの手当を施し、フロドはわずかに傷の影響が改善した。

 

3018年10月20日 魔王の下に集結したナズグルは再びフロド達を襲撃する。

九人のナズグールが一団となって襲いかかってくるとさしものグロールフィンデルでも正面から抗しきることはできず、自分の馬アスファロスにフロドを乗せてブルイネンの浅瀬まで逃げ切るよう命じて送り出した。

ナズグルは単身逃走するフロドをブルイネンの浅瀬で追い詰めたかに思われたが、エルロンドが引き起こしガンダルフによって力を増されたブルイネンの水流にまず魔王らが飲み込まれ、動揺した残りのナズグールも追ってきたアラゴルンらの松明とグロールフィンデルの怒りに押されて水流に没した。

これによってナズグルは馬と外衣を失って無力化され、最初の指輪奪取の追跡は失敗に終わった。

 

3018年10月24日 フロドは裂け谷の「最後の憩」館に運び込まれ、エルロンドの治療を受けて意識を取り戻した。サムたちも皆無事だった。

フロドは裂け谷でガンダルフと再会、またエレボールに遠征したドワーフのひとりグローインや、ホビット庄を去って裂け谷に落ち着いていたビルボ、エルロンドの娘アルウェンらと出会う。

ボロミアもこの日に裂け谷に到着。

 

3018年10月25日 エルロンドの会議が開催され、ここ最近中つ国各地で起きている問題のことが話し合われた。

特に最大の問題は、フロドの指輪が一つの指輪そのもので間違いないかということ、これをどうすべきかということであった。

会議では、サウロンを出し抜いてくためには、一つの指輪をモルドールの滅びの山へと持っていき、滅びの罅裂に投じて破壊するしかないという結論が出される。

ほとんど望みのない任務であり、誰も他人を指名できず、また自ら名乗り出ることもできないでいたが、フロドは自分が指輪の担い手となることを申し出る。そしてサムもついていくことになった。

一つの指輪破壊の旅に赴く指輪の仲間は、9人の黒の乗手に対するべく9人と定められた。

そしてそのメンバーには、フロド、サムのほか、ピピンとメリーらホビットが、またエルフの代表として闇の森のエルフ王スランドゥイルの息子レゴラスが、ドワーフの代表としてグローインの息子ギムリが、人間の代表として馳夫ことアラゴルンと、裂け谷に助言を求めに来ていたボロミアが参加。

またガンダルフも参加することになった。

出発前にアラゴルンは折れたる剣を鍛え直し、アンドゥリルと名付ける。またフロドはビルボより、つらぬき丸とミスリルの胴着を受け取った。

 

3018年12月25日 指輪の仲間一行が裂け谷を出発する。事前に裂け谷から放たれていた斥候の情報を元に、出発した指輪の仲間は裂け谷より霧ふり山脈の西側を南下し、赤角口を通って山脈を東に抜けるルートを選ぶ。

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