ロードオブザリング世界に出てくる竜についてまとめてみます。
まず竜の祖はモルゴスによって生み出されたグラウルングです。
グラウルングは翼は持たず空は飛びませんが、口からは炎を吐き、邪言と邪眼による強力な呪縛の力を持っていました。
初めてグラウルングは姿を現したのは第一紀260年。
アングバンドの城門から出撃し、アルド=ガレンを蹂躙しました。
初めて見る竜の姿にエルフ達は驚愕します。
この時はフィンゴンの率いる騎乗弓兵が輪となってグラウルングを取り囲んで矢を射かけ、まだ完全に成長していなかったグラウルングをアングバンドに追い返しました。
次にグラウルングが姿を現したのは第一紀455年。
ダゴール・ブラゴルラハ(俄に焰流るる合戦(Battle of Sudden Flame)で完全に成長しきったグラウルングはモルゴス軍の先陣を切って出撃します。
グラウルングはその猛威によってロスランからマグロールの山間を突破し、小ゲリオンと大ゲリオンに挟まれたマグロールの領地を破壊しつくしました。
その後も第一紀472年のニアナイス・アルノイディアド(涙尽きざる合戦(Battle of Unnumbered Tears)や第一紀495年のナルゴスロンド攻撃にも参戦してノルドールやエダインを大いに苦しめます。
最後は第一紀499年にトゥーリン・トゥランバールによって討ち取られました。
次に登場する名のある竜は史上最強の黒竜と呼ばれたアンカラゴン。
第一紀末の怒りの戦いにおいて、アングバンドに閉じこもるモルゴスの切り札である有翼の龍たちの編隊と共に出現し、かれらは一時ヴァリノールの軍を押し戻すほど猛威を振るいました。
その後鷲の王ソロンドールが従える大鳥たちと、ヴィンギロトに乗るエアレンディルが参戦し、両陣営は一昼夜激戦を繰り広げた末、アンカラゴンはエアレンディルに倒されます。
アンカラゴンの落下によってサンゴロドリムの塔は毀たれ、モルゴスの敗北が決しました。
竜はほとんどこの怒りの戦いで壊滅したと思われるため、第二紀には竜は全く登場しません。
次に出てくる名のある竜は第三紀2000年頃に灰色山脈(エレド・ミスリン)に巣食っていたスカサになります。
スカサについてはほとんどエピソードがなく、ドワーフに対して略奪を行っていたということと、人間のフラムによって退治されたということくらいしか書くことがありません。
スカサ討伐後はスカサがため込んでいた財宝の所有権を巡ってフラムとドワーフの間に確執が生じたそうです。
また、竜には火を吐かない冷血竜と呼ばれる種族もおり、第三紀2589年には灰色山脈でドワーフたちを襲い、ダイン一世が殺されました。
中つ国の歴史に最後に登場する竜はホビットの冒険に登場したスマウグになります。
ドワーフ繁栄の噂を聞きつけて第三紀2770年に灰色山脈からエレボール(はなれ山)に飛来し、山の下の王国と谷間の国を滅ぼして両国の莫大な財宝のすべてを我が物とし、山の最も奥まった大広間に積み上げて寝床としました。
第三紀2941年にトーリン二世とその仲間達は財宝と王国を奪回するため、ガンダルフの助力を得てビルボ・バギンズを仲間に加え、エレボールへの遠征を決行します。これがホビットの冒険です。
邪悪かつ高い知能を持っており、言葉巧みに相手を翻弄し、疑念を植え付けてまじないにかけることもできました。
さらに貪欲かつ執念深い性格で、はなれ山の莫大な財宝の一つ一つを完全に把握しているほどで、ビルボが金のカップを盗むとそのことに即座に気づき、怒り狂いました。
鱗は非常に硬く、通常の攻撃は全く寄せ付けません。
腹の側は龍族の宿命として弱点ではありましたが、自分でもその弱点を承知しており、沢山の金と宝石をこびりつかせて固めることで鎧代わりにしていました。
しかし、この財宝の鎧には左胸に一箇所ほころびがあり、唯一の弱点となっており、そこをバルドの黒い矢に貫かれて倒されました。
スマウグの落下と断末魔のあがきによってエスガロスは完全に破壊され、跡地の浅い水域では、天気が穏やかな日には杭の残骸の間にスマウグの巨大な骨が見えたといいます。
その鎧であった財宝は共に水底に眠っていましたが、龍への恐れから、取りに行く者は誰もいなかったそうです。
ガンダルフは指輪戦争の前にスマウグが倒されたのは幸運であり、もしそうでなかったらサウロンに利用されたスマウグがエリアドールを席巻し、裂け谷をも襲撃していたかもしれないと語りました。
スマウグの死後、強力な火龍の類は途絶えたと思われており、以後中つ国の歴史に竜が登場することは(終末の戦いとして起こることが予言されているダゴール・ダゴラスを除けば)ありませんでした。
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