指輪戦争におけるナズグルの動き

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ロードオブザリング
映画ロードオブザリングより引用

「終わらざりし物語」において指輪戦争時のナズグルの動きが書かれていますので、当記事にて紹介します。

3009年にモルドールに捕えられたゴクリから一つの指輪の再発見とそれに関する「なんとか庄」「バギンズ」なる情報を入手したサウロンは、その捜索にはナズグルこそ適任と考えましたが、彼らは隠密行動がとれないために敵に目的を見破られることを恐れ、一度はその派遣をためらいました。

しかし3017年に釈放されたゴクリが直ちにガンダルフの手に落ち、尋問を受けたとの報がドル・グルドゥアよりもたらされたことで、賢者達は既に指輪の再発見を察知していることがわかりました。

そのためサウロンは即座に指輪を取り戻す必要に迫られ、ついにナズグルの派遣を決意します。

 

3018年6月にサウロンがオスギリアスと闇の森の王国への同時攻撃を行い指輪戦争が開戦。

そしてそれにまぎれてナズグルはアンドゥインを渡り、一つの指輪の捜索に出撃します。

オスギリアス攻撃において魔王らは公然と姿を見せてゴンドール軍を恐慌に陥れ、装束をまとわずに密かに橋を通ってアンドゥインを越えます。

魔王たちはその後、あらかじめ渡河させておいた馬と装束を受け取り、ドル・グルドゥアから来たハムールたちと合流してホビット庄の捜索を開始。

9月にはアイゼンの浅瀬を渡り、情報を得るためにアイゼンガルドを訪れますが、その時は門前でサルマンから追い払われたようです。

その後9月22日にサルンの浅瀬に到達したナズグルは、日没とともにそこを防衛していた野伏を蹴散らして浅瀬を突破。

魔王は可能な限り密やかに行動しつつ野伏の追撃、「バギンズ」の捜索、東街道の見張りなどを行うため分散行動を命じ、魔王自身はブリー村の南に潜んで塚人をはじめとした一帯の悪霊を呼び起こすなどの工作を行います。

翌日23日には4人がホビット庄へ到達し、その日の内にハムールがホビット村にてハムファスト・ギャムジーと会話し、フロド・バギンズが堀窪へ引っ越したことを聞き出します。

ハムールはそのまま切株村にいたる道でフロドたちを追跡しましたが、ギルドールの一行の出現もあり、25日にバックル村の渡しで彼らを取り逃がしました。

30日の夜に4人は堀窪を襲撃しましたが既に指輪はなく、フレデガー・ボルジャーの脱出を許し、非常用角笛を鳴らされてバック郷が厳戒態勢となったため同地から退却。

同じ夜、ブリー村の躍る小馬亭を襲撃しましたが、ホビット達が用心して部屋を変えていたため襲撃は空振りに終わります。

これに激怒した魔王は全員を連れて東街道を東へ進みました。

 

10月3日には風見が丘頂上で九人組がガンダルフと交戦。

夜が明けてガンダルフが東へ逃れると、4人がその後を追います。

しかしそのために、6日にフロドとアラゴルンの一行がそこへ到達した時、彼らを襲撃することができたのは魔王を含めた5人のみでした。

夜半の野営地の襲撃で、魔王はモルグルの刃でフロドを刺し、その破片によって彼を幽界に引きずり込もうとします。

そのまま重傷のフロドを連れて裂け谷へ急ぐアラゴルンらを追い詰めようとしましたが、裂け谷より上のエルフが派遣され、その内の一人グロールフィンデルによって果野橋で待ち伏せていた3人が追い払われてしまい、彼らがミスエイセルを渡るのを許します。

後に魔王の下に集結した九人組は他の仲間を蹴散らし、単身逃走するフロドをブルイネンの浅瀬に追い詰めましたが、エルロンドが引き起こしガンダルフによって力を増されたブルイネンの水流に飲み込まれます。

これによって馬と外衣を失って無力化され、最初の指輪奪取の追跡は失敗に終わりました。

 

モルドールに戻ったナズグルは新たな外衣と、馬に代わる恐るべき獣をサウロンから与えられ、西方との全面戦争の準備や、一つの指輪の捜索に空を舞うようになります。

しかし、サウロンは戦争がはじまるまではナズグルが再びアンドゥインを渡ることを禁じていました。

ナズグルのうちひとりはオークの部隊を引き連れて、アンドゥインの監視を行っていたようです。

3019年2月23日にガラズリムの弓を使ったレゴラスに射落とされたのがそのナズグルで、パルス・ガレン付近にて指輪の仲間を襲撃し、メリーとピピンを捕らえたグリシュナッハの部隊はそのナズグールの指揮下にありました。

3019年3月5日にはナズグルはとうとうアンドゥインを越え、西方との全面戦争が始まりました。

3019年3月10日、バラド=ドゥーアとミナス・モルグルに雷の烽が上がり、魔王が軍勢を引き連れてミナス・モルグルから出陣します。

モルドール軍とナズグルはオスギリアスとカイア・アンドロスを奪取し、反撃を試みたファラミアの部隊を潰滅させます。

14日には総大将の魔王の下、モルドール軍はミナス・ティリスを包囲攻撃し、15日に魔王はグロンドと呪文によって城門を破壊。

空を舞うナズグルの恐怖はゴンドール軍の士気に大打撃を与えました。

しかし夜明けとともにローハンの軍勢がゴンドールの援軍として到着したことで情勢の変化を察知した魔王はローハン軍への攻撃を優先し、セオデンを殺します。

しかしその前に立ちはだかったエオウィンと彼女を助けたメリーによって、魔王も倒されます。

ミナス・ティリス包囲軍はそのままローハン軍、ゴンドール軍、そしてアラゴルン二世ら北方の野伏に率いられた辺境の諸侯国の援軍によって殲滅されてしまい、ペレンノール野の合戦はモルドール軍の敗北に終わります。

ナズグルは魔王を失って一旦引き揚げますが、その後も恐るべき獣に乗り、上空からゴンドール軍の監視を続けました。

サウロンは一連の情勢悪化を、敵方の大将たちが一つの指輪を手に入れたためではないかと疑っていました。

そのためナズグルを使って徹底した監視を行い、指輪を奪い返す機を伺っていたのです。

 

その後西軍(自由の民の軍勢)が拙速な攻撃を仕掛けてきたと考えたサウロンは、黒門まで彼等の進軍を許し、そこで彼らを罠にかけて、指輪を取り返そうとします。

黒門前の最終決戦において、ナズグルは再び上空から西軍に襲いかかり、西軍の援護に現れた大鷲と戦いました。

しかしその時、フロド・バギンズが滅びの山で指輪の誘惑に負け、指輪は自分のものだと宣言して指にはめます。

この瞬間、西軍の計略に気づいたサウロンは、直ちにナズグルに旋回を命じ、ナズグルは指輪を奪回するために全速力で滅びの山へと飛翔しましたが、時すでに遅く、一つの指輪は滅びの罅裂の中に投じられました。

そしてサウロンの力は消滅し、ナズグルは滅びの山の噴火に巻き込まれ、焼き尽くされて消滅したのです。

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