ドワーフの話

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ロードオブザリング
Aulë | The One Wiki to Rule Them All | Fandomより引用

ドワーフは人間やエルフとは違い、誕生が運命づけられていた種族ではありませんでした。

アルダにエルフや人間が誕生するのを待ちきれなかったヴァラールのアウレによって、ドワーフの七人の父祖たちが作り出されます。

しかしヴァラールの権能を超えたその行為はイルーヴァタールに直ちに見咎められ、アウレは許しを請いながらドワーフ達を槌で打ち殺そうとします。

するとアウレの恭順と、ドワーフ達が恐れて身をすくませる様子に哀れさを見たイルーヴァタールは、ドワーフが既に命を得ていることを告げてアウレを赦し、アルダの住人とすべくドワーフの存在も認めました。

ただしアルダに最初に生まれるのはエルフであると定められていたため、エルフが誕生するまでドワーフの父祖達は眠りにつかせられました。

 

七人の父祖の最長老は不死のドゥリンであり、彼を祖とする一族は長鬚族(ドゥリンの一族)と呼ばれます。

作中に登場するほとんどのドワーフは長鬚族です。

他の6氏族は火の鬚族、広腰族、鉄拳族、堅鬚族、黒巻毛族、石足族となっており、作中にはほとんど登場しませんが、ビフール、ボフール、ボンブールの三人はモリアのドワーフの出ですがドゥリンの一族ではないと追補編に記述があり、この三人は火の鬚族か広腰族の出身という説があります。

 

ドワーフがいつ眠りから目覚めたのかははっきりしていませんが、クイヴィエーネンにてエルフが誕生した後、星々の時代のベレリアンドでエルフとドワーフが遭遇していることが、エルフの歴史に記録されています。

ドワーフのうち長鬚族の父祖(不死のドゥリン)はグンダバド、火の鬚族と広腰族の父祖がエレド・ルインで目覚めました。

他の四つの氏族の父祖がどこで目覚めたかは西方の人間やエルフには知られておらず、中つ国のはるか東方であるそうです(作中にも登場しません)。

 

ドワーフはメルコールの支配する中つ国の暗黒の時代を生き抜くようにとアウレが考えて作ったため、肉体的にも精神的にも非常に頑強で、耐久力も持久力も非常に高いです。

また採掘と工芸の技術に非常に長け、多くの見事な武具や美しい装飾品を作り出し、時にはその品に魔法の力を込めることもあります。

その技術のなかにはエルフを凌駕するものもあり、特に石の扱いはずば抜けています。

ドワーフの女性は全ドワーフの1/3以下と言われ、表に出ることは滅多にありません。

ドワーフは結婚を一生に一度しかしませんが、男性は仕事に没頭するあまり結婚を望まない者がとても多く、女性の方も結婚する意志が全くなかったり、意中の相手以外と添い遂げるよりは独身を貫くことが多いためドワーフの婚姻率は低く、男性の中で結婚する者は1/3以下であるそうです。

ドワーフは死者を石で築いた墓の中に葬る習慣を持ち、死体を放置したり、土葬や火葬にすることを好みません。

しかし第三紀2799年に起こったオークとの戦争であるナンドゥヒリオンの合戦では戦死者のあまりの多さのため、石の墓に葬ることを諦めざるを得ませんでした。

かれらは戦死者をまとめて火葬にすることを選び、これはドワーフ本来の流儀に反するものでしたが、ナンドゥヒリオンの戦死者達はいつまでも敬意をもって覚えられ、「火葬にされたドワーフ」といえば彼らを指す言葉となりました。

 

ドゥリンの一族は、霧ふり山脈にカザド=ドゥーム(モリア)を築き、そこが最大の拠点となります。

エレド・ルインにはノグロドとベレグオストが築かれ、そこのドワーフはベレリアンドのシンダール・エルフの王シンゴルと友好関係を結びました。

第一紀には中つ国に帰還してきたノルドールとも非常に親密な友好関係を結び、カランシアとは交易関係を結んだほか、フィンロドと親密な関係を築いて彼の王宮ナルゴスロンドの建造にも手を貸します。

また、ニアナイス・アルノイディアドではマイズロスの連合としてモルゴスの軍勢と戦い、ドワーフ王アザガールの部隊が龍のグラウルングを撃退するなど、活躍しました。

しかしシルマリルを巡ってシンゴルと諍いを起こした末に彼を殺害してしまったことからドリアスとの戦争に発展し、これが原因となって以後シンダールとの関係は非常に険悪なものとなります。

この関係はシンダールエルフであるレゴラスがギムリとの友情を結ぶまで長く険悪なままでした。

 

怒りの戦いでベレリアンドが崩壊した後、エレド・ルインのドワーフは大部分がカザド=ドゥームに移住します。

第二紀にカザド=ドゥームはエリアドールのノルドールの国であるエレギオンと交易関係を結んで非常に栄えました。

しかしサウロンとの戦争でエレギオンが荒廃すると、カザド=ドゥームの門を閉ざして抵抗し、最後の同盟の戦いではドゥリンの一族はサウロンを敵として戦いました。

一方、サウロンから七つの指輪を受け取ったドワーフ達はその力によって莫大な富を築き上げるものの、やがて指輪に込められたサウロンの悪意のために富を失って不幸な末路をたどることとなりました。

 

第三紀ではドゥリン六世の代にドゥリンの一族はミスリルを求めすぎてバルログを呼び覚ましてしまい、カザド=ドゥームは荒廃してモリアと呼ばれるようになります。

モリアを逃れたスライン一世らのドワーフはエレボールに移住して山の下の王国を築き、北方人やくろがね連山のドワーフ達と交易を結んで栄えました。

さらにスライン一世の子のトーリン一世は灰色山脈にも居住地を立てて富を築いたものの、やがてダイン一世の代に冷血竜に襲われ、その子スロールはエレボールに戻ります。

しかしエレボールも2770年にスマウグに襲撃されて滅亡し、スロールとその息子スライン、孫のトーリンらは褐色人の国などに逃れて放浪の生活を余儀なくされます。

そしてスロールは2790年に無謀にもモリア帰還を果たそうとしてオークのアゾグに殺されて侮辱されます。

ドゥリン一族の王に加えられたこの侮辱に全ドワーフは激怒し、霧ふり山脈のオークとの間で6年に及ぶ、熾烈なドワーフとオークの戦争が起こりました。

ナンドゥヒリオンの合戦で鉄の足のダインがアゾグを討ち取り、ドワーフは合戦に勝利したものの、モリア奪還は果たせず、ドワーフの連合軍は解散しました。

その後青の山脈の館に一旦落ち着いたスライン二世は、2841年にエレボールに戻ろうとして死人占い師の罠にはまり、ドル・グルドゥアの地下牢で非業の死を遂げます。

しかしその間際にスラインは地下牢を訪れた灰色のガンダルフにスロールの地図と鍵を手渡していました。

 

スマウグへの復讐と、エレボールへの帰還を切望していたトーリン・オーケンシールドは、2941年にブリー村でガンダルフと出会い、彼の助力によってエレボールへの遠征が計画され実行に移されます。

この遠征とそれによって引き起こされた五軍の合戦の末に、エレボールの山の下の王国はダイン二世によって再興されました。

後の指輪戦争では、ギムリが指輪の仲間として活躍した他、山の下の王国が東夷の攻撃を受けたものの(谷間の国の合戦)、谷間の国の人間およびドワーフはエレボールに籠城して持ちこたえ、最後には勝利を収めました。

第四紀以降は再統一された王国(ゴンドールおよびアルノール)と長き友好関係を結び、エレスサール王の庇護下に置かれました。

ドワーフたちは、ペレンノール野の合戦で破壊されたミナス・ティリスの城門をミスリルと鋼で見事に再建させたそうです。

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